【おもちゃ・ゲーム】禁断の島

対象年齢 8歳から
プレイ人数 2~4人
1ゲームに要する時間 30分~1時間

このゲームの特徴は、プレイヤー間の勝ち負けがないことです。みんなで協力してミッションをクリアすることが目的となります。もちろんクリアできないこともあります。難易度を調節することもでき、初心者はもっとも低い難易度の設定でやることをオススメします。

ゲームのフィールドはある小さな島です。そこには4つのお宝が眠っています。そのお宝をすべて手に入れて、全員でヘリコプターで脱出すればミッションクリアとなります。しかしこの島は徐々に水没していきます。お宝を入手する前にその在り処が水没したり、ヘリポートが水没してしまえばゲーム終了ですし、そこへ行くためのルートが全て水没してもやはりゲーム終了です。水没のペースはゲームが進むに連れて速くなっていきますのでボヤボヤしていると事態はどんどん悪化していきます。でもプレイヤーは水没しかけているところを復旧することもできます。お宝を入手すること、水没しかけているところを復旧すること、このアクションのバランスをうまくとるよう知恵を絞りながら協力してゲームを進めます。

協力ゲームということで、プレイヤー間の勝敗があるゲームで負けを嫌がるこどももやる気になりやすいでしょう。協力するためにはプレイヤー間のコミュニケーションが大切です。相談したり答えたり、自分の意見を言ったり相手の意見を聞いたり、そういうコミュニケーションができることはこどもにとってとても有意義だと感じました。また教科書のような正解がない中で自分なりの考えを導き出していくという経験もまた意味があると思います。

8歳からとしましたが、ゲームには10歳からと書いてあります。実際8歳のこどもとやってみましたが特に問題はありませんでした。シンプルなルールのゲームと違い、少々複雑な構成ではありますが、一度説明しながらやってみれば8歳未満のこどもでもプレイ可能だと思います。

標準的なプレイ時間は30分となっています。私達は最初のプレイに1時間ほどかかりました(汗)。慣れればもっと短くなると思いますけどこどもと相談しながらやると結構時間かかりますよ。あんまりせっついたら面白くなくなりますしね。時間の余裕がある程度ある時にプレイした方が良さそうです。

私はこれをamazonで買いました。日本語の説明書はついておらず全てが英語でした。全てがドイツ語の製品もあるようです。こちらで日本語に訳した説明書が入手できることを予め知っていたので慌てることはありませんでした。ゲームに使うカード類も全て英語です。でも問題ないです。強いて言うならゲームのキャラクターである「DIVER(潜水夫)」「MESSENGER(メッセンジャー)」「PILOT(パイロット)」「NAVIGATOR(案内人)」「EXPLORER(探検家)」「ENGINEER(技術者)」の6つの単語がゲームの最初に読めさえすればあとはほとんど英語力を必要としません。心配いりませんよ。

このゲームは『パンデミック』という別の協力ゲームの簡易版のような位置づけです。もっと難易度の高い歯応えのあるゲームを欲する人はそちらにチャレンジしてみたらいいと思います。

戦火のなかの子どもたち

文 岩崎ちひろ
絵 同上
発行 岩崎書店
初版 1973/9/10
対象年齢 10歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

 

概要
ベトナム戦争で犠牲となっている小さなこども達への想いに、東京大空襲の記憶を織り交ぜて描いた絵本です。

物語絵本ではなく、詩の絵本と言った方がいいかと思います。

 

感想
これは親としてはなかなか重い本でした。残酷なシーンとかは一切ありません。こどもがこどもらしく生きられない悲しみに満ちた世界を描いています。読んでいると、自分のこどもがこんな事になったら…というように他人事で考えられなくなってしまうのです。

著者の岩崎ちひろさんは年代的に東京大空襲を経験されたのだろうと思われます。そしてリアルタイムでベトナム戦争の情報を見て感じてきたのだと思います。そして居ても立ってもいられない気持ちでこの本を書かれたのではないでしょうか。

あとがきには、こんな文章がありました。

戦場にいかなくても戦火の中でこどもたちがどうしいているのか、どうなってしまうのかよくわかるのです。子どもは、そのあどけない瞳やくちびるやその心までが、世界じゅうみんなおんなじだからなんです。そういうことは、わたしがこどものための絵本をつくっている絵描きだからわかるのでしょうか。

我が事のようにベトナムのこども達の事を案じているのが、ここを読んでも伝わってきます。自分はなかなかここまで外国のこどもの事を考えることはできないです。実際今現在も世界の複数の場所で戦争が続いていますが、そこにいるこども達のことは、ニュースを見たその時だけは頭をよぎりますが、すぐに日常の細々したことに気を取られて忘れてしまいます。でも岩崎ちひろさんはもっと切実で自分自身も辛い心の持ちようなんだろうと想像されます。これは書かれている通りに絵本作家だからなのでしょうか。

でもそんな鈍くて戦争を知らない私のような人間でも、この本を読むとその切実さの一端を心に共有することができます。この本では理屈ではなくただ一人一人のこどもに焦点を当てて心の中の一瞬一瞬を描いています。それが自分の過去の記憶、自分のこどもとの経験などと結びついて、一時でも他人事でない感情をもたらしてくれるのかなと思います。

文章はとても少ないです。読む本というよりも想像する本です。この本はさらっと読み流すよりも、じっくりと1枚1枚の絵に時間をかけて見ていくべきだと思います。だから読み聞かせには適さないと思いますし、自分で読むことを前提として対象年齢も10歳からとしてみました。

子を持つ親にも読んでいただきたいと思います。

そらいろのたね

文 なかがわりえこ
絵 おおむらゆりこ
発行 福音館書店
初版 1967/1/20
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 28
発行部数 不明
オススメ度 B

概要
ゆうじが公園で模型飛行機で遊んでいるとキツネがやってきました。キツネは模型飛行機が欲しくなり、自分の宝物である『そらいろのたね』との交換を申し出、ゆうじは了承します。

ゆうじは家に帰って庭に種をまき、たくさん水をあげます。次の朝、芽が出たかと見に行ってみると、芽ではなく何と空色の小さな家が生えてきていました。ゆうじは嬉しくなってさらに水を与えます。

 

感想(若干ネタバレ注意)
私が最初読んだ時はなんてことはない話に感じてあまり興味を持てませんでした。おっさんのかたーい頭では面白さがすぐに理解できなかったのかも。何度か読んでみて徐々に面白みを感じるようになってきました。こどもにとっては夢のある楽しい絵本です。

まずは普通に芽が出るのではなくて家が生えてくるところが楽しい。ここでこどもは掴まれますね。次はどうなるんだろうと期待してしまいます。ゆうじはびっくり仰天するわけじゃなくて、「うちがさいた!」と喜びます。大人だったら喜ぶ前に???と固まってしまいそうですが、こどもは素直に楽しい出来事と受け取って喜ぶんですね。私はこの家が生えるというアイデアがありきたりの奇抜さのように感じて最初のめり込めなかったのですが、素直に楽しめばいいんですよね。この辺が多分前述の頭の硬さなのかなと思いました。

家は少しづつ大きくなっていきます。最初はひよこが入れるくらい、次は小動物が入れるくらい、そしてこどもが入れるくらいへと。こどもが入れるようになる頃には、読者のこどもは羨ましくて仕方ないでしょうね。そしてさらに家は大きく、夢も大きくなっていきます。

家が大きくなるにつれ、こどもや動物たちが集まってきます。中には『ぐりとぐら』に出てきた動物たちや、『いやいやえん』の登場人物などが混じっています。ぐりとぐら本人も出ています。オールスター感謝祭のようです(笑)

ラストはあっさりで、盛り上がったところでハシゴを外されたように感じる方もいるかも知れません。でも私はこういうの結構好きなのです。お祭りが終わった後のような感覚が残るのが。『てぶくろ』もそんな終わり方でしたね。この感じ、ニール・ヤングのアフター・ザ・ゴールド・ラッシュを思い起こします。

最初と最後のきつねのワガママな言動とその結果を通して多少の教訓が含まれています。欲深じいさんにバチがあたる昔話のようです。こどもはお話を純粋に楽しみながら自然に吸収していくのでしょう。