つみきのいえ


文 平田研也
絵 加藤久仁生
発行 白泉社
初版 2008/10/21
対象年齢 8歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 41
発行部数 不明
オススメ度 B

 

概要
おじいさんがたった一人で住んでいる、海に浮かんだように見える奇妙な小さな家。

この町は少しづつ海面が上昇していて、床上に浸水すると今の家の上に新しい家を積み重ねて作り、上へ上へと移り住んできたのです。

ある日、部屋に浸水している事に気づいたおじいさんはまた屋上に新しい家を作り始めます。

ところがある時、うっかり工具を取り落としてしまいます。潜水服を着込んで、海の中へ探しに行きます。工具を見つけて周りを見回すと、そこは昔家族みんなでおばあさんを看取った部屋でした。

おじいさんは、そこからさらに下へと潜っていき、以前住んでいた家を一つ一つ見て回りますが…

 

感想
地味なお話で、感動を巻き起こすとかそういうタイプの絵本ではありません。過剰な期待はかえってこの本をつまらなくしてしまうかも。ただただ静かに心に沁みてくる本です。

自分の人生を俯瞰して見るきっかけにもなるでしょう。

元々は短編アニメーション(アカデミー賞を受賞)だったのを、絵本化したものです。大枠の話は同じですが、細かい所でアニメとは違った部分もあります。正直に言うと、私はアニメの方がよかったです。このお話には言葉による説明はない方がいい気がしました。

基本的には大人のための絵本ではないかと思います。ある程度の人生経験がないと、実感としてわからない事が多いでしょうから。

でも子どもにも読む意味はあると思います。理屈でわからなくていいから、何かしら感じ取ってくれればと思います。人生という概念そのもの。おじいさんは生まれた時からおじいさんなのではなく、子どももいつまでも子どもなのではないこと。自分が見ているものが世界のすべてなのではなく、多くの人それぞれにそれぞれの世界があること。

表紙を見ての通り、とてもやさしい暖かみのある絵です。

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