りんごかもしれない


文 ヨシタケシンスケ
絵 同上
発行 ブロンズ新社
初版 2013/4/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数
発行部数 不明
オススメ度 B

概要
男の子が家に帰って、テーブルの上にある一つのリンゴを見つけます。

そこから男の子の想像(妄想?)の世界が拡がります。

 

感想
発端はただリンゴが一つあったというだけなのですが、そこからこれでもかという位話が広がっていきます。ある意味マニアックな本です。

ストーリーなんてないんですよ。ただ男の子がリンゴを巡って色んな事を想像するだけなのです。でもあまりに色んな角度から徹底してユーモアを交えて様々な想像をするので、それが楽しいやら圧倒されるやら。

実際に本を手にして面白さを実感して欲しいのですが、今までの説明では内容が見当もつかないですよね。例えば、こんな想像なんです。このリンゴ、本当にリンゴなのだろうか、中にはメカがぎっしりつまってたりして…。このリンゴ、中味までホントにリンゴなんだろうか剥いても剥いても皮が出てきたりして…。このリンゴは今までどんな世界を見てきたのだろう…人類が誕生する前からの古今東西の歴史とこのリンゴの関わりが俯瞰されます…。このリンゴを食べたら何が起こるのだろう…突然体が巨大になったりして…。こんな想像がこれでもかこれでもかという位、たくさんたくさん出てきます。(なんか文章にしちゃうと面白みが全然伝わらないですね。やっぱり実際に本を読むしかないかも。)ページ数は普通の絵本程度なのですが、1ページあたりにいくつもの想像が盛り込んでありますから、ボリュームがすごいです。

ウチのこどものお気に入りは、このりんごを育てたらどうなっちゃうんだろうっていうエピソード。大きくなってリンゴの家になっちゃいます。こんな家がが欲しいな~ですって(笑)

この本を読んで中島らもさんの名言を思い出しました。

自分一人で時間を潰すことができる能力を『教養』と呼ぶのである。

こういう想像力や好奇心は人生楽しく豊かにする源泉の一つだと思います。ニュートンが木から落ちるリンゴを見て万有引力を思いついたという逸話も(この本にも出てきます)ありますし、実際世の役にも立つ大事な能力でもあるでしょう。こどもにはこの想像力と好奇心を大きく大きく育てて欲しいな。

この本はもちろん読み聞かせもできないことはないのですが、面白さをわかってもらえるようにするにはどういう読み方をしたらいいのか、ちょっと私もよくわかりません。一人で眺めながら妄想にふける方がより正しい読み方のような気もします(笑)

次作『ぼくのニセモノをつくるには』もご紹介しています。

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