ずーっとずっとだいすきだよ


絵と文 ハンス・ウィルヘルム
訳 久山太市
発行 評論社
初版 1988/11/30
対象年齢 5歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 31
発行部数 不明
オススメ度 B

ずーっとずっとだいすきだよ のあらすじ・内容(ネタバレ注意)

(主人公の)ぼくは犬のエルフィーと小さい頃からずっと一緒に育ってきました。ぼくはエルフィーが大好き。他の家族もエルフィーの事が好きでしたが、エルフィーに対して好きだと伝えることはありませんでした。言わなくてもわかると思っていたのかな。

やがてぼくは背が伸びて大きくなり、エルフィーはぼくよりも早く歳をとっていきました。エルフィーは寝ている事が多くなり、散歩さえも嫌がるようになります。心配したぼくたちはエルフィーを獣医さんに連れていきました。しかし獣医さんにできることは何もありませんでした。エルフィーは歳をとったのです。

やがてエルフィーは階段を登ることもできなくなります。ぼくは毎晩ぼくの部屋にあるエルフィーの寝床へと抱いて連れていき「エルフィー、ずーっと、だいすきだよ」と言ってやりました。

そしてある朝、目を覚ますとエルフィーは死んでいました。ぼくたちはエルフィーを庭に埋めました。みんな泣きました。ぼくも悲しかったけど、いくらか気持ちが楽でした。「ずーっと、だいすきだよ」とエルフィーに言ってあげてたから。

ずーっとずっとだいすきだよ の解説・感想

愛情を言葉にして伝えることの大切さを描いた絵本です。しかしこれは大事なことだと表面的にはわかっていても実行となるとなかなか難しいことです。特に私を含めた日本の男性はそうかも知れないですね。でも大人が難しいことを子どもは自然に簡単にやってのけます。ウチの子どももそうでした。この絵本は直接的に子どもにいい影響を与えるかも知れませんよ。

言葉にするということはもちろん受け取る側にとって嬉しく温かいものでしょうが、この絵本ではむしろ言葉を発する側への影響について描かれているようです。『ぼく』はエルフィーが死んでしまった後もちろん悲しみますが、普段からエルフィーに「だいすきだよ」と声をかけていたことからそれが一種のなぐさめとなって後悔が少ないようなのです。そしてまたエルフィーが死んだ後の『ぼく』のペットに対する考え方にも大きく影響を与えているように思います。『情けは人のためならず』という言葉がありますよね。これは『人に情けを掛けておくと,巡り巡って結局は自分のためになる』という風に解されるようですが、この絵本においては『一見利他的な行為が実は自分をも救っている』ということかも知れません。

私はまともにペットを飼ったことがないので、愛犬を失うということの辛さを完全に理解することは難しいと思います。ただネット上でこの絵本の感想の数々を見ていると、ペットロスで苦しむ方が立ち直るきっかけとしている例がいくつか見受けられました。

(ネタバレ注意)上記のあらすじの後、まだ数ページお話は続きます…隣家の子どもが『ぼく』に子犬をあげると言ってくれました。エルフィーはこの事を気にしないだろうとわかってはいましたが、結局それは遠慮します。そしてエルフィーが使っていたバスケットを逆にその子にあげるのです。『ぼく』はその内にまた別のペットを飼うことになるだろうが、毎晩「ずーっと、ずっと、だいすきだよ」と言ってあげようと思うのでした。

このお話は小学校の教科書に載ったことがあるそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。