もいもい


作 市原淳
監修 開一夫
発行 ディスカヴァー・トゥエンティワン
初版 2017/7/15
対象年齢 0歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 26
発行部数 不明
オススメ度 B

もいもい のあらすじ・内容

赤と青の2つのキャラクターらしきものが、大きくなったり小さくなったり数が増えたり色んな変化を見せる抽象的な絵本です。例えば、

「もい もい もい もい…」 ってキャラクターがページ内にいっぱい現れたり

「もーーーい もーーーい」 ってキャラクターの体の一部が伸びたり

こんなのが12パターン出てきます。

見開2ページごとに場面が変わり、それぞれテーマらしきものは感じますが、ストーリーのようなものはまったくありません。

もいもい の解説・感想

この絵本はすべてがほとんど抽象的でなかなか大人が良さを理解するのが難しいですね。でも虚心をもって見てみると、大きくなったり小さくなったり数が増えたりびよーんと伸びたりパッと形が変わったり、抽象的ながらも小さい子どもにとってのエンターテイメントとして楽しませようという意図が感じられます。その目論見通りに赤ちゃんが楽しむかどうかは個人個人によるかも知れませんけどね。

監修の開一夫さんという方は東京大学であかちゃんラボを運営されている方で『赤ちゃん学』を専門とする研究者です。そこでどのような絵が赤ちゃんの興味を誘うかという(実際に赤ちゃんが参加した)実験によって選ばれたイラストがこの絵本の元になっています。大人が”赤ちゃんが喜んでくれそう”と感じた絵本と赤ちゃんが実際に喜ぶ絵本は違うことが往々にしてあるようなんですね。そこの齟齬を乗り越えるには赤ちゃん自身に選んでもらうしかないという考え方のようです。

表紙に『あかちゃんの目をくぎづけにしたのはこの絵でした』と書いてあります。実際のところ、個人差はあると思いますが、泣いていた赤ちゃんが食い入るようにこの絵本を見つめるなどの声が上がっているようですよ。私はこの絵本を見て最初に『ごぶごぶごぼごぼ』を思い浮かべました。抽象的なキャラクターと文(音)そして表現するものは両者非常に似ています。『ごぶごぶごぼごぼ』も赤ちゃんが泣き止むとか真剣に見入るといった評価を受けている絵本です。何かが惹きつけるんでしょうね。

この絵本が赤ちゃんの興味を誘いやすいということは実験による事実だと思いますし、可能性を持った絵本だとは思いますけど、それをもって赤ちゃんが喜んでいるとか赤ちゃんに教育効果があるとか拡大解釈するとしたら、そこまではまだちょっと言えないような気もします。実験では、4枚の違う絵を赤ちゃんに見てもらい、見ている時間の長さで評価しているようです。できることなら今後もっと突っ込んだ実験をしてもらえたらと期待したいですね。

「もいもい」という言葉は特に意味はないようです。赤ちゃんの好む「繰り返し音」、声に出しやすい「まみむめもの音」という事で選ばれたようです。(詳細はこちらのページに。)でも何となく語感がいいし、楽しそうな雰囲気があり親しみやすい言葉ですよね。フィンランド語の挨拶の言葉でもあるみたいです。かわいい挨拶です。文章は基本的に「もいもい」が多少変化して「もーーーい」になったり「もももいっ」になったりするだけです。

カラフルでポップなイラストは市原淳さんによるもの。ポペッツタウンのデザインをされた方です。

小さい子が見る絵本ということで丈夫なボードブック版も出ていますよ。

ご参考まで、こちらが出版社の公式サイトです。

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