ねずみのウーくん いぬとねことねずみとくつやさんのおはなし


作 マリー・ホール・エッツ
訳 たなべいすず
発行 冨山房
初版 1983/11/1
対象年齢 8歳から
文字の量 かなり多め
ページ数 55
発行部数 不明
オススメ度 B

ねずみのウーくん のあらすじ・内容

町の靴直しのおじさんの家。おじさんとイヌとネコとネズミが一緒にすんでいます。おじさんはネズミさえ可愛がって餌を与えています。

おじさんは静かに暮らしたいのですが、イヌとネコはケンカばかり。さらにイヌとネコはネズミを怖がらせたり意地悪をします。

ある日おじさんは雨の日に出かけることになりました。雨が降っているのでイヌとネコを外に出すのは可哀想です。二匹にケンカをしないように十分注意した上で出かけました。

ところがイヌとネコは暴れまわって家の中はメチャクチャになります。そこへたまたまおじさんのお姉さんが訪ねてきました。お姉さんも一人暮らしでオウムを一羽飼っています。お姉さんがイヌとネコを外に追い出し家の中を片付けているとお客さんが入ってきました。お客さんとの立ち話で自慢のオウムの話をしたお姉さんは気を良くして自分がこの家に引っ越してくればみんな万々歳だと考えます。

お姉さんは引っ越してきました。オウムはうるさいし、イヌとネコは外においやられ、ネズミ取りも仕掛けられます。お姉さんはネズミが大嫌いなのです。おじさんもイヌもネコもネズミも弱りました。

この事態にイヌとネコはネズミに協力を依頼します。ネズミの大嫌いなお姉さんに作戦を実行するために。

ねずみのウーくん の解説・感想(結末も若干紹介)

橋田壽賀子さんのドラマに似てる

アメリカの絵本です。アメリカと言うと合理主義的なイメージが強いと思いますが、ここではまったく別の印象の古き良き時代のドラマが展開されます。

おじさんは大人しい人で静かに平和に暮らしたいのですが、実際は動物たちがケンカばかりして望み通りの生活とは程遠い状態。しかもお姉さんが押しかけてきたことでさらに状況は悪くなります。おじさんは気弱なのかお姉さんに自分の希望をハッキリと伝えることができないみたいですね。こうして見ると、なんか橋田壽賀子さんのドラマみたいなシチュエーションです。一般の絵本に比べて若干複雑な状況の中でお話が展開するようになっていると言えます。

でもこのお姉さんの押しかけがキッカケとなって、最終的には動物たちは仲良くなり、静かで平和な生活が実現するのです。仲良く暮らすということがどんなにいいことかが教訓として含まれています。

動物にはそれぞれ名前があるのですが、特にネズミはアンソニー・ウーという名前なんですね。本書の原題も『MR.T.W.ANTHONY WOO』というのです。小さく弱い立場のネズミに立派なん名前がついてるのはユーモアを感じるとともに、作者の愛情や尊敬といったものも感じられます。

クオリティの高い版画

絵は版画だと思いますけど、クオリティ高いですよ。細かいところまで描かれています。人物や動物の表情もよく伝わります。お姉さんが出ていくシーンでイヌとネコがニコニコしてるのが笑えます。夜のシーンはぱっと見夜だとすぐわかるような描き方になっています。

表紙をめくった見返し部分に、左ページにはおじさんと3匹の動物が並んで店の入り口にいるところ、右ページにはお姉さんがオウムを抱いて玄関の外に立っているところ、それぞれが描かれています。記念写真みたい。絵本を読了するまではわかりませんでしたが、一件落着して収まるところにみんな収まったという状態の絵なんでしょうね。

かなり文章が多い

文章が多いです。ページ当たりの文章量が多い上に、ページ数も多いです。しかも小説並みに細かい描写が続くので、長い文章に慣れていないと飽きやすいと思います。ご注意を。子どもにもよると思いますが、読み聞かせよりも本好きの子どもが自分で読む方がいいタイプの本かも知れません。漢字はすべて読み仮名がふってあるのでひらがなとカタカナが読めれば問題はありません。出版元の冨山房のサイトでは本書は小学校低学年からとなっていました。

 

 

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