マドレーヌといぬ


作・画 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
訳 瀬田貞二
発行 福音館書店
初版 1973/5/10
対象年齢 4歳から 自分で読むなら小学校低学年から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 52
発行部数 不明
オススメ度 B

マドレーヌといぬ のあらすじ・内容

パリの寄宿学校に暮らす12人の女の子。その中でも一番小さくて、ウィンタースポーツが得意な活発な女の子がマドレーヌです。

ある日先生と街へ散歩に出ていた12人。他の子ども達が整列して歩く横でマドレーヌだけが橋のふちに上がって歩いていましたが、滑って川に落ちてしまいました。溺れそうなマドレーヌ。そこへ一匹の犬が飛び込んで助けてくれました。犬は寄宿舎に連れて帰り、ジュヌビエーブと名付けられ、みんなの人気者になります。

5/1は学校検査の日です。評議員達が学校内をくまなく見て回ります。そこでジュヌビエーブが見つかってしまい、先生やマドレーヌの主張も虚しくジュヌビエーブは寄宿学校を追い出されてしまいます。その後すぐに先生と12人は街へ出て探して回りますが見つかりません。

がっかりして帰ったその夜、素敵な出来事が起こります。

マドレーヌといぬ の解説・感想(若干ネタバレ注意)

人気のマドレーヌシリーズの二番目の作品であり、コールデコット賞も受賞している名作です。第一作の『げんきなマドレーヌ』よりも物語として面白くなっていますし、権威への反発などもあって深みも増しています。

子ども達の様子が微笑ましい

寄宿学校に犬が来たとなれば、みんなの人気者になり、取り合いになるのは必然でしょうね。また犬がいなくなればみんな怒り、悲しみ、一生懸命探し回ります。本作ではそんな子ども達の感情が前作よりも詳しく描かれています。そんな様子をご覧になった読者の子ども達の中には、寄宿学校に行ってみたくなる子、犬が飼いたくなる子も出てくるかも知れませんね。

大人に対してもしっかり主張

この絵本の中のピークの一つが、マドレーヌが評議員に向かって文句を言うところ。椅子の上に飛び乗って抗議します。少々行儀が悪い言葉ではありますが。しかし大人に向かって自分の考えを堂々を述べるマドレーヌに読者の子どもは喝采を送るかも。

子どもに寄り添うミス・クラベル先生

先生であるミス・クラベルの人間性もまた前作より描かれています。「犬を追い出せ!」と言う評議員に対し、子ども達がかわいがっているからと許可を求めるシーンは子どもに寄り添う姿勢がうかがわれました。いなくなったジュヌビエーブを探しに行こうと提案したのもミス・クラベルでした。序盤に「ミス・クラベルは何事にも驚かない人でした」というくだりがあるのですが、橋の縁を綱渡りのように歩くマドレーヌを見て驚かないのはどうかなとは思いましたが(笑)

ラストは

実は真夜中にジュヌビエーブは自分で寄宿学校へ帰ってきます。みんなに撫でられ、ご馳走をもらい、一件落着かと思いきや、実はさらに素敵なサプライズが待っています。こちらは実際に本書をお手にとって確認してください。さすがのミス・クラベルもびっくり仰天していますよ。

パリの街を描いた絵がきれい

ほとんどの絵が黒い線画に黄色の着色がついている程度のすごくシンプルなものですが、時折フルカラーで街並みも描いたページが織り込まれます。これはとてもきれいです。お洒落な街の雰囲気を感じられます。また、本作でもパリの名所が随所に描かれています。巻末には何ページにどこどこが描かれているというような情報がまとめられています。

ちょっと注意が

52ページもありますけど、文章の量は少ないです。一つの文章が数ページに渡って一言づつつながっているケースもあってテンポよく話が進みます。なのでページ数の多さはそんなに気にならないと思いますけど、テンポの速さに合わせてどんどんページをめくっちゃうと、絵を中心に見ているはずの子どもは落ち着いて話に入っていけなくなるかも知れません。その点は注意が必要かと思います。

他にもコールデコット賞を受賞した作品を紹介しています。 → コールデコット賞

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