じごくのそうべえ


文 たじまゆきひこ
絵 同上
発行 童心社
初版 1978/5/1
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 不明
オススメ度 B

 

概要
軽業師のそうべえは見世物で綱渡りをしていて転落。気がついたらそこは地獄の入り口でした。死んでしまったのです。同時期に死んだ医者と山伏と歯医者と共に、そうべえは閻魔様に地獄へと送られます。

ところがこの4人がそれぞれの特技を使って、色んな種類の地獄を苦にすることもなく暴れまわるものですから…

 

感想
元は上方落語の「地獄八景亡者戯」から材を得ているのだそうです。youtubeで検索すると落語の動画が見つかりますよ。大体1時間強と長いネタのようですが、絵本にするにあたってはだいぶ簡略化されているみたいです。子どもにもわかりやすくなっています。

4人が4人とも地獄をも恐れぬ飄々とした暴れっぷりで、地獄を管理している鬼たちを困らせます。本来なら地獄という位ですからとても怖くて辛い場所のはずですが、4人のおかけでそうはならないんですね。とにかく『面白い』お話でした。

なんと言っても一番のクライマックスは人呑鬼(じんどんき)なるラスボスみたいなやつが登場するシーンです。名前の通り4人は人呑鬼に飲み込まれてしまいます。ところがお腹の中には引っ張るとくしゃみが出るヒモとか、蹴るとオナラが出る袋とか、楽しい仕掛けが色々あって(この設定で既にこの絵本の面白さがわかっていただけると思います。笑)、4人でいっせいにそれらの仕掛けをいじりまわすものですから人呑鬼もたまりません。この場面にはホント大笑いさせられます。ウチの子どもも大ウケでした。

随所にニヤリとさせられる落語的なユーモアが散りばめられています。(こどもがどこまで理解できるかわかりませんが…。)最後も落語らしい粋な締め方でハッピーエンドですよ。

火の車、三途の川、閻魔大王、釜ゆで、針の山など、よく知られる地獄に関する事物が出てきます。迫力ある挿絵ではありますがユーモラスな味もあって、そんなにグロテスクな感じはありません。でも鬼の顔はちょっと怖いかな…よほど感受性の強い子でなければ問題ないだろうと思いますが。

文章が関西弁なので、慣れてないと読み聞かせしにくいかも知れませんね。元が上方落語ですしこの方が味があって面白みも増していいと思います。でもこどもがもし理解できなそうなら言い回しを変えて読んであげることも必要かも知れませんね。

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