もぐらとずぼん


文 エドアルド・ペチシカ
絵 ズデネック・ミレル
訳 うちだりさこ
発行 福音館書店
初版 1976/2/3
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ~やや多め
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

概要

ある日もぐらは青くて大きいポケットのついた素敵なズボンが干してあるのを見かけました。どうしてもそれと同じズボンが欲しくてたまらなくなってしまいました。

どうしたら手に入れられるのかあちこちに訊いて回りました。えびがには「きれを持って来さえすればズボンの形に切ってあげるよ」と言ってくれました。よしきりは「ズボンの形のきれを持ってくれば縫ってあげるよ」と言ってくれました。

しかしそもそものきれがありません。困っているとたまたま傍にいた花が「私の言う通りにすればズボンが手に入る」と言ってくれました。花は亜麻の花でした。もぐらは亜麻の言う通りに世話をし、そして亜麻の繊維からズボンを作るべく、他の動物や虫達に手伝ってもらいながら一つ一つの工程をこなしていきます。

感想

前回紹介した『ペレのあたらしいふく』と同じように服を作るストーリーなので今回ご紹介しようか迷いましたけど、この本はこの本でまた違う良さもあるのでやはりここでご紹介したいと思います。

調べてみるとこの本は元々チェコのアニメーションが元になっているようです。この絵本には書いてありませんがもぐらはクルテク(Krtek)という名前で、チェコでは誰もが知るアニメの人気キャラクターです。(YouTubeで検索するとアニメーションもいくつか出てくるようです。)このズボンの話はクルテクのアニメーションの第一作目のストーリーだそうです。

実際のところ絵本を見てみるとこのために最初から書き起こしたというよりも、元々あった素材を使ったかのような感じがしましたし(実際のところはわかりませんけどね)、絵の雰囲気も昔のアメリカのカートゥーンのような印象だったんですよね。そのせいもあってか若干ながら文と絵のつながりがわかりにくいところがありましたけど、でも親しみやすさはありますし、背景の自然もキレイに描かれています。元々のアニメーションが良質なのだろうなという気がします。

『ペレのあたらしいふく』に比べると格段に工程は増えています。何しろ亜麻の世話から始まるのですから。亜麻が育ったら抜いて、水に浸し、干して、折り曲げて、と糸ができるまでの間でもなかなか大変です。もぐらくんは自分でできるところは頑張ってやり、できないところは他の動物などにお願いして手伝ってもらいながら少しづつ進めていきます。登場する動物や虫はかなり数多くてどのページも賑やかです。

ズボンを作る過程もさることながら、主人公のもぐらが親しみやすいキャラクターである事と、他のキャラクターとの楽しいコミュニケーションの数々が子どもにとってのこの本の魅力かも知れません。

この絵本は日本での出版が1976年。チェコでの出版が1961年。それから現在まで長く長く愛されてきています。またもぐらシリーズの絵本は他にも福音館書店から出ていますよ。

服をイチから作るという主旨の名作絵本は他にもあるんです。→ 服を作る

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