アントンせんせい


文 西村敏雄
絵 同上
発行 講談社
初版 2013/3/1
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

アントンせんせい のあらすじ・内容

やさしいアントン先生の動物病院には色んな動物がやってきます。

朝早く窓をたたく音が。ニワトリさんが診てもらいたいとやってきたのです。声が出なくなって、森のみんなを起こすという自分の大事な仕事ができなくて困っているとのこと。前日にカラスと大声競争して喉が荒れているようなので、森の薬草で作ったうがい薬を使ってもらって、キレイな声が出るようになりました。「おだいじに」

次はトラさんがお腹が痛くて熱もある、とやってきました。どうやら獲物を狙っていてお腹をだしたまま寝てしまったようなのです。注射が必要です。しかしトラさんは注射が怖いのです…

ニワトリから、トラ、ワニ、等々。みんなアントン先生のお陰で元気に回復します。

ある時、アントン先生が診察中に突然倒れてしまいます。

アントンせんせい の解説・感想

優しさと誠実さにあふれたアントン先生

ヤギさんがやってきて、元気が出ないと言います。しかし診察してみましたが悪いところはなさそうです。アントン先生が何か話したいことがあるんじゃないかと水を向けると、どうも仲良しのお友達が引っ越してしまったのが原因の模様。アントン先生は長い時間をかけてヤギの話に耳を傾けます。アントン先生は「おだいじに」という言葉に象徴されるように、どんな患者さんにも優しく真摯に対応するんですね。それが医学的な病気やケガでないとしても。

この本は派手さはないですけど、主人公のアントン先生同様に、誠実さと優しさにあふれたとてもいい作品だと思います。世界観がとても心地いいんです。私だけでなく、子どもも好きだと言っていました。

終盤にアントン先生が倒れて、動物たちが協力して助けようとします。そこでもお話のトーンは変わることなく、終始一貫して明るく善意に満ちています。(アントン先生が倒れた理由も深刻なものではなくかわいい理由。動物たちの対処ですぐに回復します。)子どもに安心して読んであげられる本ですよ。

患者である動物たちのエピソードがかわいい

患者さんがみんな動物たちで楽しいです。それぞれの動物が抱える病気や怪我のエピソードがまた子どもにもわかりやすい微笑ましいものでかわいいのです。

この絵…アントン先生が書いてる?

絵は油彩ですね。丁寧に丁寧に書かれた感じのする、暖かみのある絵です。アントン先生の人柄と共通するものがあります。西村敏雄さんの絵はこのぬくもりがとってもいいと思うのです。描かれる登場人物や動物達の表情や仕草が子どものそれなんですよね。子どもにはとっても親しみやすいと思いますし、大人の目から見るとかわいいんですよ。

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