3じのおちゃにきてください


文 こだまともこ
絵 なかのひろたか
発行 福音館書店
初版 1977/4/1
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

3じのおちゃにきてください のあらすじ・内容

まりちゃんが川岸の野原で花を摘んでいると、小川に笹舟が流れてきます。笹舟には手紙が結んであり、「3じのおちゃにきてください…ケーキを作って待ってます」とのお誘いと地図が書かれていました。差出人は『みどりのみどり』。まりちゃんは『みどりのみどり』さんを知りませんが、ケーキがあるなら…と手紙に誘われるまま地図のとおりに進んでいきます。

しばらく行くと地図に書いてあった橋に来ました。そこで友達のゆきとくんに会いました。ゆきとくんはお使いの帰りで卵を買ってきていました。まりちゃんから手紙の事を聞いたゆきとくんは一緒に行くことにします。

またしばらく行くと、アリが10匹砂糖をかついて行進しています。手紙の事を聞いたアリさん達は一緒に行くことにします。

やがて地図に書いてあったポプラの木のところに来ました。ここではリスがくるみを食べていました。リスもくるみをお土産に一緒に行くことにします。

次に地図に書いてあった井戸まで来ました。井戸ではアヒルが干していたシーツを取り込んでいました。アヒルも一緒に行くことにします。

その次は水車小屋に来ました。ロバが粉の袋を背中に乗せてやってきます。そしてロバも一緒に行くことにします。

牧場まで来ると今度は牛が牛乳の缶を運んでいました。牛も仲間入りします。

さらに地図通り進んでいくと、小さな家がありました。入り口には『みどりのみどり』と書いてあります。

3じのおちゃにきてください の解説・感想

楽しい!がつまった充実した内容

3歳位のこどもが喜びそうなエピソードがつまっています。何と言っても川を流れてきた不思議な手紙から始まるお出かけは、小さい子どもにとっては宝探しのようにワクワクさせてくれる冒険と映ることでしょう。そして相手の正体がわからないというのも先が楽しみになりますね。

色んな生き物も出てくる

動物、鳥、虫などの多彩なキャラクター達がいっぱい出てくるのも楽しさを増してくれます。それらが一匹一匹と途中で仲間に加わって行列が増えていくのが、だんだん盛り上がってくる感じでいいんです。登場の仕方が小さい子の好きな繰り返しにもなっています。

地図の面白さも

笹舟に結んであった手紙の全容が描かれています。そこに『みどりのみどり』のお家までの行き方を示した地図も書いてあります。ここもちゃんと指差しながら読んであげるといいでしょう。以降、まりちゃん達はその地図通りに進んでいくことになりますので、地図というものが何なのか、そして地図の面白さを知ってもらえると思います。

地図が出てくる絵本を他にもご紹介しています。 → タグ『地図

お話が終わった後の1枚の絵がいい

お話が終わった後の最後のページにおまけ的に描かれているセリフなしの一枚の絵。お茶会が終わってみんなで遊びに行ったあとでしょう、テーブルの上にケーキを食べた後のお皿やカップが乗っている他、ある一匹を除いて誰もいません。楽しかったお茶会の余韻のようなものが感じられていいですね。残ったある一匹もかわいいです。こんな風にお話が終わった後の1ページにポツンと絵が載っていたり、裏表紙にその後の1シーンが載っていたり、私はこういうのが好きです。文章もセリフのないけれど伝わるものは大きい。いい読後感を残してくれるんですね。

ここでその後のお話の続きをご紹介します。小さな家から出てきた『みどりのみどり』とはカエルでした。カエルはこんなに沢山の友達が来てくれたと大喜び。そして用意してあったケーキを運んできますが、ケーキが重いものでフラフラして転び、落としてしまい、みんなガッカリ。そこでまりちゃんが「みんなの持っているものでケーキを作ろう」と提案。みんなで協力してパンケーキを作り、お茶で乾杯をしたところで時計の鐘が3時を告げるのです。

みんな優しいし前向き

思いの他大勢の友達が来てくれたことにカエルは大喜びでぴょんぴょん跳ねます。良かったね。わざわざ手紙を流したりしてカエルは孤独なのかも知れません。それを考えるとなんかいじらしいです。しかしそれなのにそれなのにせっかくのケーキを倒してしまいます。これにはカエル自身が一番がっかりしたことでしょう。でもそれを誰も責めずにみんながフォローしてくれてよかった。みんな優しいね。そして前向きだね。カエルは救われたことでしょう。

子どもが喜ぶ場面が連続

後半は子どもの好奇心を刺激しそうな場面が連続します。まずはカエルの大きなケーキがおっとっとっと…どしゃーんと倒れる迫力ある場面。4ページを使って、スローなコマ送りのように描かれます。ここは『ぞうくんのさんぽ』を彷彿とさせるのですが、どちらも絵は同じなかのひろたかさんによるものだったんですね。

お次は動物たちも含めてみんなで仲良くケーキを作る場面。見開き2ページの中にそれぞれがどんな作業をしているのか細かく描かれています。それらを見ていくのが面白いです。アリさんもちゃんと手伝っています。みんなで何かを協力してやるのって楽しそうだなって思える場面です。

そしてみんなでお茶でかんぱーいの場面。かんぱいって一体感があってそれだけで楽しいものです。ウチの子も大好き。

32ページの全部が、見開き2ページに渡る絵と少なめの適度な文章量で構成されていますので、ボリュームの面でも3歳位のこどもにちょうどいい位だと思います。

読者の中には本書を読んで自分もホットケーキを作ってみたい!と言う子も当然出てくるでしょうね。この際、親子でやってみてはいかがでしょうか。

どのページにも春の緑や花々がキレイに描かれています。お出かけしたくなりますね。本書を読んだら今度はお子さんをお外での3時のお茶に連れてってあげてください。笹舟を流して遊ぶのもいいでしょう。作り方はネットで探せばいっぱい出てきます。因みに本書のように手紙を結ぶ帆柱を付けるならこちらのサイトが参考になりますよ。

不思議な手紙を元にした冒険。字を読めるようになったらお家でもできますよ。まだ字を読めなくても親御さんが手伝ってあげれば大丈夫。こちらの記事をご覧ください。 → 『宝探しごっこ

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