せかいいちまじめなレストラン


文 たしろちさと
絵 同上
発行 ほるぷ出版
初版 2017/12/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

概要

まじめなシェフ、イタメーニョさんが営む街の小さなレストラン。ガチョウのスミス夫人が給仕をしています。

猫やワニ、カワウソなどの色んなお客さんが、イタメーニョさんの料理を楽しみにやってきて、そして大満足して帰っていくのです。

ある日、店の外に男の子が座っているのをスミス夫人が見つけました。どうやらお母さんに怒られて家を飛び出してきたみたい。お腹が空いてるかもしれないと思ったイタメーニョさんは…

感想

タイトルの『まじめな』というのは、イタメーニョさんの規則正しい生活の意味もあります。でももっと大事なのはお客さんに対して、そして料理に対して『誠実な』という意味だと思います。下のような著者のコメントが巻末にあります。

だれかのために、一生懸命料理をする気持ちを描きたいと思いました。イタメーニョさんのお店が、これからも繁盛しますように。

お客さんのために新鮮で美味しい食材を使いたいイタメーニョさんは、注文を受けてから食材を調達することも。例えばジュースの注文があれば庭のりんごを収穫しに行ったり。でもこれはほんの序の口なんです。笑っちゃうようなあまりにアクティブな食材調達もありました。

そんなこだわりの他にも、料理の過程なんかも少々描かれていて、読んでると美味しそうで大人の私も食べたくなってきますね。ガレットとかポワレとか子どもがあんまり馴染みがないような料理も出てきます。これらも美味しそうなので、お子さんが「これ食べたい」と作品中の料理を指さして言い出す可能性もありますが、そうなったら頑張って作ってください(笑)

色んな動物がお客さんとして来る点や、お客さん皆さんに喜んでもらっている点において、『バルバルさん』や『アントンせんせい』などの作品にも似ていますね。全編を通して暖かく和やかな雰囲気をまとっているのも似ています。これらの作品が好きな方は、本作も気に入っていただけると思います。男の子のエピソードもハッピーエンドですし、子どもが安心して楽しめる作品ですよ。

また、主人公が寡黙で毎日を真面目に誠実に過ごしているところが『パンやのくまさん』にも似ている感じがしました。いつも表紙のような一見無表情のような感じでいるところも似ていてちょっとかわいいですね。

こんな風に自分の才能を仕事で活かせて、しかも皆に愛されて、実に充実した幸せな生活だなと私など羨ましくも思いました。こんな大人の姿もまた子どもに一つのいい見本として映るかも知れません。

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