くんちゃんとふゆのパーティー


文 ドロシー・マリノ
絵 同上
訳 あらいゆうこ
発行 ペンギン社
初版 1981/11/
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 36
発行部数 不明
オススメ度 B

概要

こぐまのくんちゃんは森のお家にお父さんお母さんと三匹で暮らしています。

もう雪が降りそうな季節になりました。「そろそろ冬ごもりの支度をしないと」と言うお母さんに対し、くんちゃんは「雪を見てみたいから冬ごもりは待ってほしい」と言います。くんちゃんのために冬ごもりは少し延期することにしました。

お父さんは知り合いの家の屋根を直すのを手伝いに出掛け、やがて雪が降ってきます。

感想

こぐまのくんちゃんシリーズの一作。どの作品も黒いペンで書かれた絵に一色だけ色が付けられています。本作品では時期的にクリスマスを意識してか赤が使われていました。基本的に線画のみの最近の絵本にはないようなシンプルな絵ですが、暖かな家庭の様子や周りの自然など情景は十分伝わってきます。

大人から見ると何ということもないお話かと思います。ハラハラドキドキもなければ大した盛り上がりもありません。でもこの作品は終始一貫して本当に子ども目線で書かれている感じがするんですよね。内容はくんちゃんの小さな発見や体験の描写が続きます。雪を初めて見て、雪だるまを作り、エサに困った小動物のためにエサを木に吊るしてあげたり、お次は出掛けているお父さんのためにパーティーを企画して飾り付けをしたり、初めてクッキー作りに挑戦したり。くまのお話ではありますが、こうして見るとエピソードはほとんど人間の子どもと変わらないようなものばかりですね。色んな事に興味を持ち、自由な発想で色んな事をやってみるくんちゃんは子どもの日常そのままです。だから子どもが読むとくんちゃんの様子が楽しそうに見えるでしょうし、好奇心も刺激されるかと思います。

くんちゃんのお父さんもお母さんも、くんちゃんがやる事をすべて肯定的にとらえるというだけでなく、時には力になったりもします。この両親の元ならば自己肯定感を持った創造的な子に育っていくんじゃないかなと思わずにはいられません。現実には難しいことがあるにしてもその精神は見習いたいところです。そして子どもも(もちろん現実の生活でもそうでしょうが)暖かい家庭というものの有り様を感じることでしょう。

一見して地味な感じですが、穏やかで優しくて暖かな雰囲気を持った良質なオススメできる絵本です。

くんちゃんのシリーズは他にも『くんちゃんのだいりょこう』をご紹介しています。

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