ソメコとオニ


文 斎藤隆介
絵 滝平二郎
発行 岩崎書店
初版 1987/7/30
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

概要

5つの女の子ソメコは遊び足りないのです。親兄弟は少し遊んだと思ったら、すぐに「一人で遊べ」と仕事に行ってしまいます。他の村の大人たちなどソメコの顔を見れば「あっちさ行け」と少しも遊んではくれません。

そんなある日ソメコが原っぱで一人で遊んでいると、少し怖いような大男がやってきてソメコと一緒に遊んでくれました。そしてソメコはその男の住む岩屋に連れてこられます。実は男は鬼だったのです。

やがて、ソメコがいなくなった事で大騒ぎの家族の元へ鬼からの手紙が届きます。さてその手紙の内容とは…

感想(若干ネタバレ注意)

概要を見ると怖いお話のように思えますが、実はコミカルなお話です。表紙の絵を見ると何となく先の展開が見えてくるでしょう。斎藤隆介さんの作品の中ではちょっと珍しいユーモアたっぷりの作品なのです。ちょっと芝居っ気をつけて子どもに読んであげると大ウケすると思いますよ。

ソメコを連れてきた鬼は家族から身代金をもらおうと手紙を書こうとするのですが、鬼なぞまったく怖くない様子のソメコの『遊ぼう遊ぼう攻撃』にあい、とても手紙など書く余裕がありません。この辺りから鬼の当初の算段はガラガラとまさに音を立てて崩れていきます(笑)それでもどうにかこうにか書き上げた手紙の内容は読んでみてのお楽しみということで。

親御さんの中には鬼の気持ちもわかるなぁという方もおられるでしょうね。ウチの子はもう小3ということで一緒に遊ぶという機会が以前より減ってきて逆に寂しい気がしているところですが、まだ小さい頃は散々遊びに付き合わされました。仕事が休みの日はホントに一日中ですからね。しかもこっちは疲れるけど子どもは疲れを知りませんから。今度は何して遊ぼうか常に頭を悩ませてもいました。(もし同じように悩んでる親御さんがおられたら『子どもとの遊び』を参考にしていただければと思います。)でもその位、親の都合顧みずで遊ぼう遊ぼうと言ってきてくれる子どもで良かったと思います。子どもはそうでなくちゃ。それに、とても濃密で楽しい時間を過ごせた、いい思い出をもらった、と今は思っています。

作品中にちょっと大人の心に刺さる言葉があったのでご紹介します。

おとなたちは、なんてつまらない まいにちを おくっているんだろう。ソメコのように、いっしょうけんめいにあそんだり、生きたりしているものは、だれもいない。

ソメコの言葉です。子どもの心を失わない、毎日をその瞬間を楽しみながら一所懸命に生きる人間でいたいものです。

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