おまえうまそうだな


文 宮西達也
絵 同上
発行 ポプラ社
初版 2003/3/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 不明
オススメ度 B

 

 

概要
暴れん坊のティラノサウルスが、ある日生まれたばかりのアンキロサウルスに出会います。

ティラノサウルスは「うまそうだな」と近づきますが、両親とはぐれて一人ぼっちのアンキロサウルスは勘違いしてティラノサウルスの事をお父さんだと思い込みます。

その後なしくずし的に二人で暮らすうちに、2匹は親子のようになっていきますが…

 

感想
登場人物(?)は恐竜のみだし、知らない人はこの絵柄を見てちょっと想像できないと思いますが、とっても切なくあったかいお話でした。ラストは大人でもグッとくる方が多いと思います。最後の方のセリフや文章のないページは特に私もやられました。

恐竜シリーズの第一作目にあたります。シリーズ化されているという事は人気がある証拠。このシリーズはどの作品も愛情、友情などの『情』や心の葛藤が描かれていて、切なくなったり心にしみたりする話ばかりです。一般的な恐竜のイメージとのギャップが大きいですが、読んでみると不思議とこれが恐竜だからいいんだよなって気がしてきます。特に本作にも出て来るティラノサウルスは一匹狼で乱暴な嫌われ者なのですが、それがひょんな事から他者から信頼を受けたりして戸惑います。人間臭いキャラクターなんですね。

ティラノサウルスは最初アンキロサウルスのこどもを食べようと近づくのですが、この子が懐くものですからそんな事はできなくなってしまいます。しかも他の肉食恐竜から守ったり、姿が見えなければ心配して探したりするようになるのです。しかし結局は草食恐竜と肉食恐竜です。いつまでも一緒にいることはこの子を不幸にしてしまうことでしょう。それがわかっているのでティラノサウルスは悩みます。最終的にティラノサウルスはどういう行動にでるのか、それは見てのお楽しみです。

ただティラノサウルスの大人目線の考えを理解するのは4歳だと難しいかも。それでもこどもなりに十分楽しめると思いますけどね。大人になってから読み返すことがあれば、また感慨深いものがあるだろうと思います。

この本の感動的な部分とは離れますが、これ、恐竜好きの男の子にもいいと思いますよ。戦う場面もあったり、ティラノサウルスの迫力やカッコイイところが随所に描かれています。

映画化もされているんですね。

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