ふしぎなキャンディーやさん


文 みやにしたつや
絵 同上
発行 金の星社
初版 2007/9/
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 A

ふしぎなキャンディーやさん のあらすじ・内容

ブタくんが森のなかで『ふしぎなキャンディーやさん』と看板に書かれたお店をみつけます。 お店のタヌキのおじさんにどんなキャンディーなのか尋ねると、なめると不思議な事が起こるんだよ、と黄色いキャンディーを一つ試しにくれました。ブタくんは早速なめてみましたが何も起こりません。しかしタヌキのおじさんが近くにある岩を持ち上げてごらんと言うのでやってみると、片手でひょいと持ち上がるではありませんか。これは力持ちになるキャンディーだったのです。しかしキャンディーをなめ終わるともう岩を持ち上げるどころかビクとも動かせなくなりました。なめ終わると効き目も終わるのです。

次におじさんは青いキャンディーをくれました。そして大きな声を出してごらんと言います。ブタくんがブヒーと大きな声で鳴こうとすると、ガオーとすごい声が出ました。これはライオンの声が出せるキャンディーだったのです。

次は緑のキャンディーを試しました。するとブタくんが消えてしまいました。体が透明になるキャンディーだったのです。

さらに赤いキャンディーも試してみました。するとブタくんがオオカミになってしまいました。

キャンディーのすごさがわかったブタくんは、赤いキャンディーを3つと緑のキャンディーを1つ買いました。するとおじさんはおまけに白いキャンディーも1つくれました。困った時になめるとビックリすることが起きるというのです。

さてキャンディーを買ったブタくんはさっそく赤いキャンディー3つを一度になめました。そしてオオカミになって森の動物たちをイタズラでおどかし始めました。みんな怖がって逃げ回ります。ところがそこへ本物のオオカミがきました。オオカミは(オオカミに化けている)ブタくんに、狩りが下手すぎるから教えてやると言って、オオカミの町へと連れて行きました。周りはオオカミだらけでブタくんは怖くてたまりません。そしてとうとう赤いキャンディーの効き目が切れ始めました。

不思議で楽しくてハラハラドキドキのエンターテイメント絵本です。

ふしぎなキャンディーやさん の解説・感想

幼稚園・保育園の発表会でも使われます

子どもが幼稚園でこの本を題材にしたオペレッタを演じたことが縁で、この本に出会いました。 子どもはこの不思議で夢のあるお話がすっかり気に入ったようです。

夢のある不思議なキャンディーが楽しい

キャンディーはドラえもんの道具みたいなもので、赤いキャンディー、黄色キャンディー、とそれぞれに魔法のような不思議な効能があるのです。これは読者の子どもも是非ともなめてみたいと思うことでしょうね。どのキャンディーをなめてみたいかな、どうやって使うかなって親子でお話しても楽しいかと思います。

子どもは食いつきますよ

上手に使えばとっても便利なキャンディーなのでしょうが、ブタくんはあまりよく考えずにイタズラに使ったものですから、自らを窮地に陥れることになります。どうやってその窮地を切り抜けるのか、白いキャンディーをなめるとどうなるのか、気になりますよね。読者の子どもも続きが気になって仕方なくなることでしょう。ラストがまた『11ぴきのねことあほうどり』を彷彿とさせるような子どもが喜びそうなダイナミックなエピソードで楽しいですよ。詳しくは見てのお楽しみということで。

盛り上げ方がうまい

キャンディーの効能もそうだし、筋立て、演出の仕方等々…この本は子どもを夢中にさせるツボをきっちり押さえている気がします。私も子どもより先にまず一度読んでみて、これは子どもも気にいるだろうって思いましたよ。上記のあらすじに書いたのはまだまだ序の口。ここから怒涛の盛り上がりを見せます。絵を見ると沢山のオオカミの中で(オオカミの姿の)ブタくんがビビっている様子が描かれています。ブタくんの匂いで集まって来ちゃったのです。これはヤバいぞっていうのがビンビン伝わります。そしてキャンディーの効果が消え始めると、まずは尻尾から元に戻るのが面白い。読者の子どもなんか「あーっ」って指差して喜びそう。その後も一瞬ホッとさせたと思ったらまたピンチだったり、とにかく最後の最後まで飽きさせない展開ですよ。面白い映画って最初から惹きつけられて2時間程度があっという間じゃないですか。まさにそんな感じ。

擬音語・擬態語が効果的に出てきます。これまた子どもが気に入りそうな感じ。緑のキャンディーをなめて姿が消える時なんて「ポワ ポワ ポワワワーン」という効果音が入ります。お父さんお母さん恥ずかしがらずに読みましょうね(笑)。お子さん喜んでくれると思いますので。

できれば大型絵本がおすすめ

この絵本は大画面で見ると迫力が増してより一層楽しめると思います。通常サイズの絵本の他に大型絵本もあるんですよ。ただお値段もそれなりですから、お近くの図書館にあるようならそれを借りたらいいと思います。

対象年齢は『3歳から』としましたが、この絵本はお子さんが3歳だからといって、急いで読み聞かせる必要はないです。小学校低学年の読書感想文の課題図書にも選ばれたころがありますし、その位の年代でも十分楽しめるくらいの内容です。

宮西達也さんの絵は人によってちょっと好き嫌いがあるかも知れません。でもそれだけで敬遠せずに一度見ていただいたらいいと思いますよ。オリジナリティーのあるとても素敵な絵本作家さんだということがわかっていただけると思います。本作は楽しい絵本でしたが、ホロリとさせられる作品などもあります。本サイトでもいくつかご紹介していますよ。 → タグ『宮西達也

因みにこの絵本は『ふしぎな~やさん』というシリーズになっています。姉妹作は『ふしぎなタネやさん』『ふしぎなカサやさん』です。本作が気に入ったらこれらも読んでみてはいかがでしょうか。