まめまめくん


文 デヴィッド・カリ
絵 セバスチャン・ムーラン
訳 ふしみみさを
発行 あすなろ書房
初版 2016/10/30
対象年齢 6歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 33
発行部数 不明
オススメ度 B

概要

まめまめくんは小さな男の子。生まれた時から小さかったのです。靴はお人形のを拝借し、マッチ箱のベッドで寝たりします。いつも元気いっぱいで、色んな遊びに挑戦しています。

ところが小学校に行くようになって、自分がものすごく小さいことに気づきます。椅子に座るのもスポーツをするのも給食を食べるのも、そして休み時間に他の子と遊ぶことさえ困難なのです。先生はまめまめくんの将来を案じます。

そしてまめまめくんは大人になりました。でもやはり小さいままです。

 

感想

概要を見るとなにやら暗い話のようにも見えますがそうではありません。明るく元気なまめまめくんの様子が可愛く描かれており、途中寂しい場面もありますが最後は大逆転のハッピーエンドなのです。

欠点と思っていたものが見方を変えるだけでメリットへと変わってしまう。しかもこれがしばしば他がなかなか真似しにくい自分オリジナルのメリットになっちゃったりすることがあります。ビジネスの世界ではそういう発想の仕方がとても大切です。しかし普通の生活の中においても人生においても、そういう考え方ができるかどうかで人生の質が大きく変わることもあると思うのです。

逆境において自分を不運な人間だと嘆いたり投げやりになったりするのではなく、それを活かす方向に考えられる人は強いです。私はこの事を『エースをねらえ!』という漫画で学びました。(私はこの漫画をこどもがもう少し大きくなったら絶対見せてあげたいと思っています。)そしてこの絵本のまめまめくんにもそれを見つけました。最後のページのまめまめくんのセリフ、

どんなにちっちゃくたって、いだいなxxxx(秘密です!)になれるのさ!

に拍手を贈りたいと思います。

お話の中では描かれていませんが、小学校時代のまめまめくんなんてすごく辛い気持ちになることもあったであろうと思います。でもどこかで自分の現状を受容し、自分ができることを見定めていったのでしょう。この辺りはつい最近ブームになった『嫌われる勇気』で書かれていた自己受容と課題の分離に通じるものがあると思いました。

しかしこのまめまめくんの元気で前向きで健全な性格にはホントに感心します。神様は特別に小さな体とともにこの性格も一緒に与えたのですね。でもまめまめくんは孤独です。母親のことがほんのちょっぴり書かれていますがそれ以外は他の人間との交流は描かれません。現時点でも孤独です。できることなら親しい仲間や生涯の伴侶をも与えてあげて欲しいと思ってしまうのです。

書き込まれた美しく可愛い絵。そしてまめまめくん同様に少し小さめサイズの判型。小さな宝物のような絵本です。

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