くわずにょうぼう


文 稲田和子(再話)
絵 赤羽末吉
発行 福音館書店
初版 1977/3/1
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

概要
昔、うんと欲張りの男がいました。男は”よく働いて飯も食わない嫁がほしい”と考えていたところ、突然目の前に理想の女が現れ、所帯を持ちます。実際女はよく働き、飯も食いません。

しかしある日蔵の米俵が激減していることに気づいた男は、出かけると嘘をつき屋根裏に隠れて様子を伺います。そこで見たものとは…

 

感想(ネタバレ注意)
伝承の昔話を再話したお話です。

昔、アニメ『まんが日本昔ばなし』でたまにこわ~い回がありましたが、そういう時のお話の内容をイメージしていただければかなり近いと思います。でもこどもはキャーキャーと怖がりながらも楽しんで見るんですよね。

一番印象に残っているのがおにばばの頭に大きな口が現れるところ。(こども向けの絵本ですし、リアルな絵ではないので親御さんが心配するようなほどのものじゃないですよ。)衝撃の秘密が露わになり、ここから一気にスリリングな展開になる端緒の部分です。これでおにばばの怖さが読者にもイメージ付けられるんですね。

あと、おにばばに捉えられた男が運良く逃げ出すのですが、それに気づいたおにばばが猛スピードで飛ぶように走り出すところ。やばい感満載です。果たして男は逃げ切れるのでしょうか。

短い中にも伏線が張られ、終盤にそれが回収されます。昔話なのにちょっと凝った構成です。

エンターテイメントとして良くできた作品だと思います。過度な欲張りへの戒めやうますぎる話には要注意、といった教訓が含まれてはいますが、それよりも親子で一緒にハラハラドキドキを楽しんでいただければと思います。そんな経験もまた一種の思い出になるのではないでしょうか。

言ってみればこの作品はホラーなんです。ホラーなんて、と思われる方もおられるでしょうが、こどもにとって何がよい経験になるかはわかりません。問題のあるものでなければ色々と経験させてあげたいと思いますし、何よりこんなに面白い作品ですから楽しんでもらいたいと思うのです。

おにばばと言えば、もう一つすごく面白い名作が。こちらも是非ご覧ください。→ さんまいのおふだ

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