ちいさいおうち


文 バージニア・リー・バートン
絵 同上
訳 石井桃子
発行 岩波書店
初版 1954/4/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや多め
発行部数 118万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A

 

概要
むかしむかし、静かな田舎に小さいおうちがたっていました。そこは自然が豊かで、小さいおうちは四季の移ろいをじっと座って見ていました。

ところがやがてその田舎が徐々に開発されてきて、ビルや鉄道、道路などが作られて、いつのまにか自然は消えてしまいます。小さいおうちは昔の田舎を夢に見て、懐かしむようになりますが…

小さいおうちが体験する歴史を通して、自然に囲まれた生活への憧憬を謳ったお話です。

 

感想
岩波のこどもの本シリーズの一冊。

上記の概要で、この本に描かれている世界が何となくわかっていただけると思います。でも少しも押し付けがましいところはなく、淡々とお話は進んでいきます。それだからこそかえって、小さいおうちの気持ちが静かに心にしみてくるようです。

派手さはありませんが、自然への憧れに満ちた詩のような本です。大人が読んでもいいと思います。

同じバージニア・リー・バートンさんの『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』では、モノクロの迫力ある絵でしたが、こちらは全編カラーです。自然の美しさを、あたたかく、かわいらしく描いています。表紙を見てみてください。かわいいでしょう。

また、最後の一部を除いてほとんどの絵が、おうちの正面から同じ構図で描かれています。季節の移り変わりはもちろん、開発によって景色が変わっていくところがハッキリとわかります。

40ページ以上あって、文字もやや多め、ストーリーも静かに進むお話です。小さい子にはわからないであろう事柄も所々に書いてあります。だから、なかなかこの本の世界に入り込めない子どももいるかも知れません。その点は予めご注意ください。

4歳のうちの子は最初すぐに飽きてしまいました。数日後にもう一度読んでみました。今度は飽きさせないようにそのまま文を読まずにちょっと噛み砕いたり、絵で説明したり。今度は最後まで見てくれました。でも多分、この本の言わんとしているところは、わずかしか伝わってないだろうな。もう少し大きくなったら、また読んであげたいです。

元々はアメリカで出版された本ですが、1942年にアメリカ最優秀絵本としてコールデコット賞を受けているそうです。

プチトリビアですが…羽海野チカさんの漫画作品『3月のライオン』の10巻のイラストにこの『ちいさいおうち』を読んでいるキャラクターが描かれていますよ。

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