せいめいのれきし


文 バージニア・リー・バートン
絵 同上
訳 いしいももこ
発行 岩波書店
初版 1964/12/15
対象年齢 10歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 77
発行部数 不明
オススメ度 B

せいめいのれきし のあらすじ・内容

太陽が生まれてから現代までの長い間の、主に地球上に生まれては消えていった様々な生物の歴史を見ていく本です。

せいめいのれきし の解説・感想

物語の本ではなく(主に)科学本であり歴史本です。作者はこの本を作るために何年間も相当に勉強したのだそうです。

太陽ができ、地球ができ、岩ができ、海ができ、生物が生まれ、植物が生まれ、動物が生まれ、氷河期を過ぎ、人間が生まれ、春が来て、夏が来て、夜が明けて、と現在へ続いてきます。最後の場面はあなた(つまり読者)が今いるところ。

最初の内は1ページめくる度に数十億年経過するのですが、その間隔は時代が進むにつれて数億年、数千年と段々短くなっていきます。宇宙物理学的な歴史から、鉱物学的な歴史、生物学的歴史、人類の歴史、アメリカの歴史と観点が移り変わっていくのでこうなるんですね。面白いのは終盤では1ページめくると季節が変わり、一番最後では1ページで数時間の経過に変わります。これが今まで見てきた長い歴史と今現在がつながっているという不思議な感覚をもたらしてくれます。

意味をわかってくれさえすれば、こどもには非常にエキサイティングな内容だと思うのです。今私達が住んでいるところは実はこの宇宙のほんの片隅であること。最初から今のような人間がずっと存在したわけではなく昔は恐竜が跋扈していた時代もあり、生物さえ存在しなかった時代もあること。人間が生まれる前は気が遠くなるほど長い歴史を経てきているということ。天動説から地動説に変わるくらいのレベルの驚きがこの本にはつまっており、知的好奇心をくすぐると思うのです。

ただこの本では本当に淡々と時系列に学術的に整理して矛盾なく説明されるばかりで、あえてこどもの興味をひこうというような表現方法にはなってないんですね。(難しい言葉は補足的に説明がついたりはしています。)そういう意味でちょっとこどもを選ぶ本になってしまっているかも知れません。対象年齢が10歳からということにしましたが、漢字にはすべてふりがながふってありますからもっと小さい子でも読めないことはないです。が面白いと感じたり、興味を持ったりしてくれる子はそう多くはないかも。

しかしこのような観点で過去の歴史を見ていくという本は、大人向けでもほとんどないと思います。ましてや子供向けとなると、非常に貴重であることは間違いないと思います。