夢は牛のお医者さん


文 時田美昭
絵 江頭路子
発行 小学館
初版 2016/6/28
対象年齢 10歳から
文字の量 やや多め
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 B

概要
小学3年生のともみさんの通う小学校は生徒が全部で9人。今年は新入生がいないため入学式もできません。校長先生は動物を新入生として迎えることを思い付きました。

そしてやってきたのは3頭の仔牛。生徒たちは毎日牛たちと遊び世話をして過ごします。ところがある時牛が病気になってしまいます…

こどもの時からの夢を叶え獣医師となった女性を26年という長い年月取材し続けたドキュメンタリー映画の絵本化作品です。

 

感想
とてもいい本でしたが、映画に比べるとその内容の何十分の一も伝わらないのだろうなと想像します。私はまだ映画は未見ですが、予告編を見てそう感じました。

映画の方は是非見てみたいですね。DVD化はされていないようで、2014年に最初に公開されてから現在でも各地のイベント等でポツリポツリと上映されているようです。

さて絵本の方ですが、このページ数ではストーリーをまとめるだけで精一杯でしょう。そういう意味ではやはり物足りなさを感じます。前半は小学校での牛たちとの生活、後半は高校から大学、そして夢をかなえるまでが描かれます。絵本ではいっその事小学校の生活だけに絞った方がよかったのではないかなと私は思いました。

でもこどもにとっては牛が新入生としてやってくるというのはかなりインパクトがあるでしょうし、疑似体験的にその学校生活を楽しむこともできるのではないかと思います。毎日の餌やりに糞掃除。牛にもたれかかってお昼寝したり、一緒に遊んだり、看病したり。運動会も一緒です。

そしてもう一つ大事な事が。この牛は肉牛として出荷されるものなので体重が400kgに達したらお別れとなるのです。この辺りは教育として適切なのか賛否別れるところかも知れませんが、それは予め先生と生徒の間で約束されていました。さよならの日、生徒たちは牛達の卒業式を行います。

表紙の絵がいいです。映画の一場面を切り取ったものです。こどもの一途さに圧倒されてしまいます。この生徒たちはなかなかできないすごい経験をしたのだと思います。羨ましささえ感じます。

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