二ほんのかきのき


文 熊谷元一
絵 同上
発行 福音館書店
初版 1968/11/1
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 28
発行部数 不明
オススメ度 B

二ほんのかきのき のあらすじ・内容

山里の家の庭に二本の柿の木と一本の桃の木があります。

その実を収穫して食べたり、こども達が花や葉っぱを使って遊んだりします。木にまつわる農村の風習も紹介されます。

一年を通じてのこれらの木と家族との関わりを描きます。ドキュメンタリー映画のようでもある絵本です。

二ほんのかきのき の解説・感想

自然の中での暮らしぶりを紹介

昭和初期の香りのする地味な絵本です。恐らく新品は入手困難ではないかと思います。

物のない時代なのでしょうが、季節の移り変わりとそれに歩調を合わせて営まれる人々の生活が相まって何とも言えない豊かさを感じます。子どもは子どもで自然を利用して遊び、大人は大人で自然を利用して収入を得ます。

柿の木と桃の木に関連した遊びの数々

こどもの大好きな果物を扱っている点、それに木を活用して行われる様々な遊びが描かれている点にこどもから見ても楽しそうな感じを覚えるのでしょうか、ウチの子は意外と食いついてくれました。どんな遊びが出ているかと言いますと、桃の花が咲いた春には花の下にゴザを敷いておままごと。柿の花が散ればそれで髪飾りを作ったり、不要な青い実を使ってやじろべえやこまを作ったり。夏は涼しい木陰で枝にとりつけたブランコ遊び。シーズンになれば桃や柿をもいで食べ。(隣の子が間違って渋柿を食べて吹き出すのが可笑しい。)秋には落葉で人形を作り。柿の木と桃の木の周辺だけで、年間を通して楽しい遊びの数々が待っているのです。

果物がこんな風に木になるということ。一方の木は甘柿の木でもう一方は渋柿の木という不思議。干し柿という渋柿を再生させる昔からの知恵。こんなところにも新鮮な驚きと興味を持ってくれました。

加古里子さんに似た素朴な絵

絵を見てると加古里子さん作かと思うほど素朴な雰囲気のタッチが似ていますが全然違う人でした。元々は教員で、その傍ら生まれ育った長野県阿智村の農村や子ども達の様子を写真に撮ったり、童画にしたりして、その内にそれが本職になったようです。その活動がベースにあってこの絵本ができたのですね。

舞台は阿智村

阿智村には熊谷元一写真童画記念館という施設があり、熊谷さんの作品を見ることができます。そのサイトを見ると、坊主頭の男の子たち、おかっぱ頭の女の子たちの元気な様子が収められた写真があり、この絵本そのままの世界が実際にあったんだなと感慨深いものがありました。

『阿智村』っていう名前。どこか記憶の片隅に残ってたような気がして調べたら、環境省が行った調査で星がもっと輝いて見える場所第一位だったところですね。むか~し昼神温泉に行ったことあるけど、その時は星空のことなどまったく知らなくて夜は屋内でご馳走と温泉だけ楽しんできました。また行ってみたいです。

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