てぶくろ


ウクライナ民話
絵 エウゲーニー・M・ラチョフ
訳 うちだりさこ
発行 福音館書店
初版 1965/11/
対象年齢 3歳から 自分で読むなら小学校初級向き
文字の量 やや少なめ
ページ数 16
発行部数 296万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A

てぶくろ のあらすじ・内容

おじいさんが雪の森を歩いている時に手袋を片方落としてしまい、気づかずに行ってしまいます。

最初にねずみさんが見つけ、暖かい手袋の中に住み着きます。

次にカエルさんがやってきて「わたしもいれて」「どうぞ」

次はうさぎさんが…

だんだん訪ねてくる動物が大きくなっていき、もう手袋はパンパンになりますが…

てぶくろ の解説・感想

ほんの束の間のお話で、とりたてて大きな展開もなく繰り返しのみ。ページ数も少ないのですが、でもユーモラスな感じと暖かみのあるいい絵本です。

ねずみやカエルはまだしも、うさぎ辺りから「手袋に入るか?」と大人は疑問を感じます。絵を見るとなんか手袋と動物の大きさの関係が段階的に変化していくような気が(汗)。でも子どもはそんな事は問題ではありません。キツネや最後の方では○○○○まで入ろうとするものですから、みんな体を縮めて狭いところにギュウギュウになります。単純ですがこれが実に楽しい。何だか自分もその中に一緒に入っているような感覚がしてきます。

最初にねずみが住み着いた時に、ねずみは手袋が雪の上に乗ったままだと寒いと思ったのでしょう、木の枝で小屋のようなものを作り手袋はその上に乗せて、手袋に入るためのハシゴも取り付けています。この辺は文章に描写がないので絵を描かれたラチョフさんのアイデアかも知れません。その後よく見てると、玄関にポーチができたり、呼び鈴がついたり、窓までもがついたりしていきます。これもまた大人にすれば荒唐無稽ですが、いいんです。子どもがそこに気づいたら楽しんでくれると思います。

絵はリアルなタッチです。暗い色使いが冬の厳しさを感じさせます。だから手袋の中の暖かさも想像されます。ただなぁ。キツネとかオオカミとか、表情が卑しくてシュールなんですよね。海外の人達のキツネとかオオカミのイメージってこういうステレオタイプなんでしょうか。でもそんな動物たちも含めてみんなが何故か一緒に手袋の中で縮こまっている姿にまた面白みを感じるのです。

最後の1ページ、突然フッと小さな手袋だけの絵になり、ほとんど文だけの状態でいきなりお話が終わります。盛り上がったところだけに、子どもは拍子抜けした模様。でもこの唐突な終わり方が、楽しいお祭が終わった後のような寂しさを残し、この短いお話が儚い夢のように感じさせられて、またいいと思うのです。同じように突然終幕を迎える絵本に『そらいろのたね』『おだんごぱん』があります。

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