りんごの花


文 後藤竜二
絵 長谷川知子
発行 新日本出版社
初版 1993/12/25
対象年齢 10歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 32
発行部数 不明
オススメ度 A

りんごの花 のあらすじ・内容

北海道のりんご農家の3人兄妹が雄大で厳しい自然の中で元気にこどもらしく過ごしていく日々を描いています。

りんごの花 の解説・感想

これは名作ですよ。でも入手困難になっているようで残念です。

ストーリーは特に起承転結はなくて、事実が時系列に並んでいる感じです。物語の面白さを楽しむというよりも、場面々々の情景や心情を味わうタイプの作品です。

北海道の大自然とこども達。私はもうこの組み合わせだけで胸がいっぱいになる思いです。この兄妹の元気で純情な姿が私のようなオッサンには眩しいです。

このお話にはもう一つ重要なキーワードがあります。それは『かた雪』です。積もった雪が厳しい寒さで人がのっても崩れないほど固くしまったものです。この地でもほんのわずかしか見られない現象だそうですが、こども達は『かた雪』にロマンを感じます。かた雪となった一帯はすべてが道無き道であり、前後左右東西南北どちらにもどれだけでも自由に進んで行くことができます。兄妹は『どこまでもどこまでも行く探検隊』を結成します。丘を登って見た宵の雪景色はそれは美しかったことでしょう。

お父さんお母さんがたった二人でりんご畑の世話をしています。吹雪の中で剪定を続ける両親を見る次男。剪定が終わって枝拾いを手伝う兄妹たち。拾っても 拾っても枝はまだまだ落ちています。でもそれをたった二人で切ったのは両親なのです。こども達の遊びの様子だけでなく、大人の仕事の世界を垣間見るシーンもそれとなく含まれています。

タイトルにあるりんごの花は5月に咲くのですね。長い冬が終わり雪がすっかり融けた5月。白いりんごの花に囲まれた兄妹の姿でこのお話は終わります。

長谷川知子さんの素朴なタッチの絵がまたいいんだよな~。後藤さんのみならず長谷川さんも北海道出身のようです。

北海道と言えば『チロヌップのきつね』も名作です。よかったらこちらもご覧ください。

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