のせてのせて100かいだてのバス


文 マイク・スミス
絵 同上
訳 ふしみみさを
発行 ポプラ社
初版 2013/7/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 31
発行部数 不明
オススメ度 B

のせてのせて100かいだてのバス のあらすじ・内容

2階建てのバスの運転手さんは毎日同じことの繰り返しに飽き飽きしていました。

ある日の仕事中、今まで気づかなかった細い道に気付き、そこへ入ってみることにします。運転手さんはワクワクしてきました。やがて異変に気づいた乗客も運転手さん同様にワクワクしてきます。

このバスは噂で大人気となり、だんだん乗客が増え、その分バスの上へ新しい階を増築していきます。

バスはフェリーに乗って海を越え世界中を旅していきます。その後もバスは階数を増してどんどん高く。そして出発してから1年後とうとう100階建てに到達しました。お祝いのパーティーがバス内で開かれます。

ところが次の日、バスがおかしな音をたて始めます。

のせてのせて100かいだてのバス の解説・感想

親御さんも共感できそう

電車やバスで通勤しているお疲れのお父さん、このままずっと乗り続けたらどこに行くのかな?って一度は考えたことありませんか?。私なんてしょっちゅう妄想していましたよ(笑)。本書はそんな妄想を現実にしてしまった夢のあるバスのお話です。お父さんはもちろん、こどもにもウケると思いますよ。ウチの子は喜んで見ていました。

ワクワクするっていいですね

運転手さんの素晴らしい思い付きからくるワクワク感がたまりません。何があるかわからないという事はなんと楽しいのでしょうか。その気持ちを乗客みんなが共有しているところがさらに楽しさを増します。途中で乗客たちが歌います。「なんにもぼくらをとめられない!。」…く~私も乗りたい(涙)。乗客の中の誰一人として、突然いつものコースを外れたバスに文句を言わずに楽しんでいるようです。運転手さんと同じく毎日同じことの繰り返しにつまらなさを感じていたのかも知れませんね。

唯一声を上げた赤いネクタイの男の人。「ちょっと、このバス、どこに いくんですか!?」これは極めて真っ当な反応です。それに対して運転手さんは「それが わたしにも わからないんですよ」「すきな ところへ どこまでも いけますよ!」ですって。無責任すぎる(笑)。でもこの運転手さん、何かかわいい。赤いネクタイの男の人はもしかして怒って降りたのかなと思ったら、よく見るとその後もずっと乗り続けているようです。しかも後から乗った母子と家族みたいになってるし。笑えました。

バスを上へ上へと建て増すアイデアが楽しい

そしてさらに乗客が協力してバスの階数を増やしていくというアイデア。自由すぎます(笑)。ここがまたこどもが食いつくポイントです。だんだんと階数が増えていく過程が描かれていて、どうやら旅の過程で立ち寄った場所の建物をそのまま上に乗せたりしてるみたい。最後の方の1ページだけ仕掛けがしてあって、折りたたまれた縦に長いページを広げていくと100階建てのバスの全容が見られるようになっています。アナログ感たっぷりのユーモアのあるデザインです。それぞれの階をよーく見てみると、畑やら牧場やら(自給自足できそう)何かのプラントのようなもの、サッカー場に公園にプール、遊園地にハンバーガーショップと何でもありです。眺めていると想像が膨らみます。

ラストも勢いは止まらず

おかしな音が出るようになったバスはついにエンジンが壊れてしまいます。もう進むことはできません。ところが!…ラストは見てのお楽しみ。まさにこのバスは誰にも止められないのであります。最後もウキウキのまま終ります。よく見たら物語の序盤に伏線が仕込んでありましたね。

見返しのイラストも考えられてる

表表紙の見返しには、物語が始まる前の早朝まだ薄暗い町々の様子。裏表紙の見返しには、絵本が終わってもこの旅はまだまだ続くことを示唆する絵がいい余韻を残してくれます。どちらの絵も同じ構図になっていて、過去のつまらない日常と、夢と希望に溢れた現在と未来を対比して表しているようにも見えます。

日本の『100かいだて…』とは無関係ですよ

因みに日本の岩井俊雄さんの絵本『100かいだてのいえ』とコンセプトが似ていますが、まったくの別の作品ですので間違えないでくださいね。まあどちらも同じく楽しい作品ですけどね。

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