ジオジオのかんむり


文 岸田衿子
絵 中谷千代子
発行 福音館書店
初版 1978/4/1
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 20
発行部数 不明
オススメ度 B

ジオジオのかんむり のあらすじ・内容

ライオンのジオジオは動物たちのの王様。金色に光る冠をかぶっています。しかし既に老いて孤独でした。目も良く見えなくなってきました。獲物を追いかける気にもなれず、誰かとゆっくり話をしたくなったりします。

そんなある日、鳥が卵を全部他の動物にとられてしまったという話を聞いて、自分の頭にある冠に卵を産めばいいと提案します。鳥は喜んでくれました。

さっそく冠に巣を作り、卵を産みました。ジオジオは卵を気にしながらのっそり歩きました、雨の日には大きな樹の下で雨宿りしました。ジオジオの頭の上にある卵を狙おうとする動物などいるはずもありません。

春が来て、7羽のひなが生まれました。

ジオジオのかんむり の解説・感想(若干ネタバレ注意)

誰かの役に立つ幸せ

誰かのために何かをするということ、そしてそれが喜ばれた時に自分自身も幸せになれること。これは人がその人生を歩んでいく上でとても重要な秘義でしょう。そんな事が子どもにもわかるように描かれたシンプルなお話です。

対象年齢3歳からと背表紙には書いてあります。動物もでてきますし、こどもにとっても面白い話だと思いますが、大人が読んでもしみじみとする奥行きのある絵本です。

老いとは、人生とは、幸せとは

人間、老いた時には誰かの役に立ちたい、人と優しく触れ合いたいという気持ちを持つものなのでしょうかね。若い時は自分の夢を実現するために邁進してた人でも、もう夢を追うことができないと自覚したらそういう気持ちになるのでしょうか。人の幸せって何なんでしょうね。人生について色々と考えさせられます。

ジオジオの表情が変わっていく様子がいい

絵本の最初の頃のジオジオは厳しく、刺々しかったり、虚無的であったり、また疲れも感じるような顔つきでしたが、小鳥が巣を作る頃から表情が変わってきます。そしてラストの見開き2ページ。ジオジオの周りを生まれた小鳥達が飛んでいます。さえずりが聞こえているのでしょう、ジオジオは満足そうにうっすら笑みを浮かべています。もはや目はよく見えないようです。それでもとても幸せそうです。絵がいいですね。ジオジオが持つ百獣の王としての威厳、老い、そして心に灯った小さな灯り。そんな事がとてもよく伝わってきました。

子どもだけに読ませるのはもったいない位の素晴らしい内容です。大人にも是非読んで欲しいです。

実はジオジオには姉妹編があるんですね。本作とはだいぶ毛色の違う仕上がりですが、気になる方はどうぞ。 → ジオジオのパンやさん ジオジオの誕生日

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