ちびゴリラのちびちび


文 ルース・ボーンスタイン
絵 同上
訳 いわたみみ
発行 ほるぷ出版
初版 1978/8/10
対象年齢 2歳から
文字の量 かなり少なめ
ページ数 32
発行部数 不明 1995/9で第35刷
オススメ度 B

概要
ゴリラの子ちびちびはみんなに愛されています。家族だけでなく他の動物たちからも愛されています。

そんな中ある日からちびちびに変化が現れます。徐々に大きく成長してきたようなのです…

 

感想(若干ネタバレ注意)
日本では1978年の初版ですから結構古い本です。長く愛され続けているんですね。

徹頭徹尾ちびちびがみんなに愛されている事が描写されます。ちびちびが成長して大きくなってもそれは全然変わりません、”大好き”というフレーズが何度も出てきます。

お父さんがこの絵本を見ると甘ったるい雰囲気が目立って、どのへんがいい本なのかよくわからないと思われる方もおられるかも知れません。実は私も最初そうでした。でもこの絵本は愛するということ、愛されるということを疑似体験できるような絵本です。愛情のもたらす幸福感を確認することができる絵本です。大好きなお父さんお母さんがこの本を読んでくれることによって、子どもはさらに満ち足りた幸せを感じることができるかも知れません。

猿や、キリン、ゾウ、ライオン、カバといったおなじみの動物の大人達が次々登場し、ちびちびと交流し、遊んでくれたりします。ちびちびの屈託ない様子、そして大人の動物たちがそれを見守る様子が何とも微笑ましいです。

大きくなったちびちびが初めてその姿を現すシーンは、その前のページで大きくなった手(足?)だけがチラッと見えたりして、おやっと思わせる工夫がされてます。まだ小さい頃の手に比べるとだいぶ大きいぞ。そしてその次にドーンと成長した姿を見せてくれます。この辺の演出はこどもが喜びそうだなって思いました。

全体的に彩度の低い色が多く絵のトーンがやや暗めでした。森のなかということで意図的にそうしたのでしょうか。目つきの怖い動物もいたりして、ジャングルの暗さやリアルな動物のもつ迫力のようなものを感じます。こどもによってはもしかしたら若干のとっつきにくさを感じるかも知れません。(でもこのちょっと怖い動物たちもちびちびの事が大好きでかわいがってくれるんですけどね。)せっかくちびちびはかわいらしく描かれているのにな。ただかわいいかわいいってだけでないのは海外の本らしいかも。

作者のルース・ボーンスタインさんはゴリラがとても好きなのだそうです。捕われたゴリラを見るのは悲しいと思いつつも、動物園に足が向き、ゴリラに会いに行くのだそうです。冒頭の献辞にも

せかいじゅうのゴリラに そして ゴリラのすきなみなさんに

と書かれていました。ゴリラへの献辞は初めて見ました。確かに作品にもゴリラへの愛情がつまっているようです。

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