100万回生きたねこ


文 佐野洋子
絵 同上
発行 講談社
初版 1977/10/
対象年齢 4歳から
文字の量 やや多め
ページ数 31
発行部数 203万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 A

 

概要
100万回死んで、100万回生きたとらねこ。

彼が死ぬたびに、幾多の飼い主は涙を流してきましたが、彼自身は今までただの一度も泣いたことがありません。彼は何よりも自分が好きで、自分以外の誰をも嫌いなのです。

今は初めて、飼い主のいないのらねこになっています。

ある日、一匹の白い美しいねこに出会います。誰もが彼に媚を売る中、このねこは彼に見向きもしません。彼はこのねこに話しかけますが…

生きるということの意味を問う、素敵なお話です。

 

 

感想
前半は、以前の飼い主達とのエピソードをいくつか紹介しています。職業、性別、年齢がまったくバラバラの色んな飼い主に巡りあい、死に別れています。(死んだり殺されたりする話が続きます。残虐な表現はありませんが、気になる方はご注意を。)

この頃の主人公は、泣いたこともなければ、死さえも怖がりません。感情というものがあまり感じられません。文には「自分のことが大好き」と書いてありますが、どうも自分のことさえ本当は好きでも何でもないのではないかという気がします。

後半に入って白い美しいねこが現れてから話はがらりと変わります。ここについてはあまり説明しない方がいいでしょう。是非この絵本を手にとって、実際に読んでみてください。徒に感動を追うような表現はなく、淡々とお話は進みます。でもそれがとてもいいのです。

ラストは悲しくもあり、またハッピーエンドでもあります。最後の見開き2ページが、草原を渡る風を感じさせて、爽やかな余韻を残してくれます。

対象年齢は4歳からとしましたが、ストーリーはわかっても大人が感じるような感慨はさすがに持てないでしょう。でも子どもの理解できる範囲で得るものは色々あると思います。基本、やっぱり大人向けの本かも知れませんけどね。

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