泣いた赤おに


文 浜田廣介
絵 梶山俊夫
発行 偕成社
初版 1993/1/
対象年齢 8歳から
文字の量 やや多め~かなり多め
ページ数 48
発行部数 不明
オススメ度 B

 

概要
優しく素直な赤鬼が人間と仲良くなりたいと願います。でもなかなか人間たちには理解してもらえません。

ヤケになりかけた時、友達の青鬼が来て、赤鬼に協力すべくある提案をします。

さてこの作戦はうまくいくのでしょうか。そして、(タイトルにありますが)赤鬼はなぜ泣いたのでしょうか。

 

感想
友情のお話ではあるのですが、感動と言うよりはやるせなさをおぼえました。こんな結末になるとわかっていたら、赤鬼は提案を受け入れなかったのではないかなと私は思いました。表紙の赤鬼も何だかそんな複雑な表情に見えます。

最初赤鬼が人間と仲良くなろうとしてうまくいきません。心根が優しく誠実であってもうまくいくとは限らない不条理さもある世の中です。その中でそれでも正しく生きようとする者達を見守っている、そんな作者の視線を感じました。

ストーリーを理解してもらうにはこどもが小学生になってからの方が良さそうです。4歳の子どもに読んであげた時は、やはり理解できないところがあって「なんで、なんで」と訊かれるので説明してあげましたが、それでも十分にわかったとは言えないですね。

文章はかなり特徴がありまして、口調がとても丁寧です。これは時代のせいでしょうか。初版は1965年で、文章は原作そのままに、絵本化したのが本作のようです。元々は短編の児童文学だったのでしょう。だから文章量は絵本としてはちょっと多めですよ。学校の教科書にも採用されたことがあります。

作者は日本のアンデルセンとも言われた方だそうで、本作はその代表作という位置付けになっているようです。

絵は表紙でご覧の通り、昔話調のほのぼのした絵です。私は表紙の赤鬼の表情が気に入っています。

あと、一番最後のページ。絵だけのページが文章とは関係なく挿入されています。複雑な感情を腹に抱えて日常へと戻っていく赤鬼の姿です。このページがとってもいいのです。よくぞこの絵を付けてくれました。グッジョブ!

同じ浜田廣介さんの作品『りゅうのめのなみだ』もご紹介しています。

コメントは受け付けていません。