かいじゅうたちのいるところ


文 モーリス・センダック
絵 同上
訳 じんぐうてるお
発行 冨山房
初版 1975/12/
対象年齢 2歳から
文字の量 かなり少なめ~やや少なめ
ページ数 40
発行部数 111万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 B

 

 

概要
やんちゃな男の子のマックスは、いたずらが過ぎて夕御飯抜きで寝室に閉じ込められます。

その後、お部屋に木が生えてきて、海も生まれ、マックスは船に乗って旅に出ます。

着いた所は怪獣のいる島。マックスはそこで怪獣の王として過ごしますが…

 

 

感想
マーク・トゥエインではありませんが、この本に教訓を見出そうとしてはいけません。作者が子どものような想像力で思うままに描き進めた絵本だと思います。(作者のことを知らないのに偉そうですみません)

ストーリーは、奇妙な出来事が続いていきます。起承転結はあると言えばありますが、特別に大きな盛り上がりはなくて、色んな場面があるので、読むたびにどこかで子どもが惹かれるところがある感じかな。男の子の冒険心をくすぐられそうな面もあるし、あと怪獣踊りのところは喜ばれそうです。

ダークな世界の魅力が含まれている点において、ティム・バートン監督の映画に似た味わいがあります。

絵は非常に緻密です。怪獣はややグロテスクな感じ。キモかわいい、と言えば何となくわかっていただけるでしょうか。

こどもと言えども心の中の世界は、必ずしもかわいい優しいだけではなくて、野性的な面、負の感情みたいなものも含まれるはず。人間ですからね。この本は、礼儀正しく、人には優しくみたいな縛りからこどもを解放して、自由な世界にどっぷり浸かる事を許してくれる意味での逆説的な優しさを感じます。

主人公のマックスは可愛げがなく、怪獣に対してさえもふてぶてしい態度で、表情は口がへの字になっている事が多いです。お母さんはたった一度セリフがあるだけで絵には登場しないし、誰かに心を許している場面もないし、孤独な感じがします。あるいは男の子が大人になっていく過程の中での精神的に微妙な時期なのかも知れないし。その辺の説明は一切ありません。でもラストはちょっぴり救いが提示されていて安心させられます。

同じような展開(お仕置きで閉じ込められたところで冒険が始まる)のお話で日本では「おしいれのぼうけん」が有名ですが、似ているところもあれば、違うところもあり、日本と海外の違いを見るのも面白いかも。

映画化もされていますよ。

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