すえっこおおかみ


文 ラリー・デーン・ブリマー
絵 ホセ・アルエゴとアリアンヌ・デューイ
訳 まさきるりこ
発行 あすなろ書房
初版 2003/5/30
対象年齢 3歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 33
発行部数 不明
オススメ度 A

概要
お父さんオオカミがふと気が付きます。お兄さんお姉さん達が駆けまわって遊んでいるのにすえっこオオカミだけが木の影に隠れています。お父さんオオカミはすえっこオオカミに理由を訊いてみました。

すえっこオオカミの言うには、速く走ったり、高くジャンプしたり、上手にクルクル回ったりできないのでお兄さんお姉さん達にバカにされるというのです。

お父さんオオカミは「ではやってみせてごらん」と言いますが…

 

感想(ネタバレ注意)
意外と言っては大変失礼ですが、とってもいい本でした。

まずはお父さんのこどもへの接しかた。お父さんオオカミはまず「それは難しいなぁ」と共感を示します。そして「やってみせてごらん」と促します。そして実際やってみるとすえっこオオカミはやっぱりうまくできません。そうすると「うまくできないな…」とまず事実を確認した後に「それでいいんだ」「うまくなるのは大きくなってからだ」と言います。これですえっこオオカミは安心します。そしてうまくできない事を気にすることなく元気に遊び始めるのです。

どっしりしていて、視野が広く、強く優しいお父さんオオカミ。カッコいいです。自分はこんなお父さんになれているだろうかと振り返らずにはいられません。

それと素敵なラスト。お父さんオオカミのこのセリフで終わります。

このどんぐりは、こんなに ちいさいけれど、それで いいんだ。 このどんぐりが、どんなになるか しってるかい? ほら、こんなに おおきな きに なるんだよ

すえっこオオカミの目の前には大きな大きなナラの木が枝を拡げているのです。このラストにはマジやられました。

何かがうまくできなくて悩んでいるこどもには慰めと希望を与えてくれるかも知れません。ただ、大人が感じるようなこの本の素晴らしさはこどもの立場からは理解しにくいでしょうね。でもそれも「それでいいんだ」なのかも。

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