1ねん1くみの1にち


文 川島敏生
写真 同上
発行 アリス館
初版 2010/9/10
対象年齢 5歳から
文字の量 やや少なめ
ページ数 40
発行部数 不明
オススメ度 B

1ねん1くみの1にち のあらすじ・内容

小学1年生のとある教室での一日の様子を写真で追います。物語のある絵本ではありません。

一日のスケジュールは以下の通り。

  • 登校の様子
  • 朝の会
  • 1時間目:国語 『おおきなかぶ』を読んでいます
  • 授業が終わったら黒板係が黒板を消します
  • 2時間目:生活 葉っぱを探しに外へ出て、白い布に葉っぱの模様を写し取ります
  • 30分休み 木登りしてる子や、図書館にいる子、草むらで四葉のクローバーを探している子、ドッヂボールをやっている子など色々です
  • 3時間目:算数 10という数字の成り立ちや10より大きい数字を習います
  • 着替え 次の体育に備えて教室で着替えます
  • 4時間目:体育 運動会に向けて踊りの練習とかけっこの練習
  • 給食 給食当番が盛りつけをして、みんなでいただきます!
  • 掃除 教室内を掃除します
  • 5時間目:音楽 『一年生になったら』を歌います
  • 帰りの会 最後はみんなでジャンケンするんですね
  • 下校

登校の様子から下校までの一日のスケジュールすべての様子を写真とセリフで見せてくれます。

1ねん1くみの1にち の解説・感想

ホントは入学シーズン前にご紹介したかったのですが間に合いませんでした。私の子どもには入学前に見せてあげましたが、この本の醸し出す楽しそうな空気に小学校生活への期待が膨らんでいるようでした。子ども達にも入学前は不安もあるでしょうがそれを和らげて、逆に楽しみな気持ちを増すことがこの本でできるかも知れません。入学のお祝いにもいいかも。もちろん既に小学校に入学した子どもも楽しめると思いますよ。

写真にはちょっとした解説が添えられている他に、子ども達のセリフ(心の中で思ってる事も含む)が漫画のように書き込まれています。これがとてもいいんです。微笑ましくにぎやかな雰囲気が伝わってきます。(セリフは著者が考えたものも含まれているそうですが、写っている子どもの様子とマッチしていて違和感はなかったです。)クラス全体が写るように俯瞰できる位置(黒板の上あたりか?)までカメラを引いて定点で撮っている事が多いです。カメラマンは多分そこにはいないんじゃないかな。だからいつも通りのありのままの子ども達の姿が捉えられているようです。当り前だけど子ども一人ひとりは別個の人間です。みんなそれぞれ色んな事考えています。眠そうな子とか先生の話を聞かないでふざけてる子とか給食なかなか食べ終わらない子とか虫が気になって仕方ない子とか個々のキャラクターが出ていて面白いです。一人の子どもをずっと追って見てみても面白いですよ。

生徒だけじゃなくて先生ももちろん写っています。先生ってどんな人で、どんな風に生徒と関わっていくのかという事も、なんとなくわかってもらえると思います。休み時間には校長先生も一緒に子ども達と遊んでるね。

一日のスケジュールの他にも、ランドセルの中身や教室の備品、全員の筆箱一覧、1ヶ月分の給食メニュー一覧、給食室での調理の様子、理科室や図工室の様子、夜の校内の様子などが写真で紹介されています。大人が見ても懐かしくて楽しいです。給食メニューは1ヶ月分全部を写真に撮って見せてくれてます。自分が子どもの時より美味しそう(笑)。これも子どもにとって大きな楽しみだもんね。夜の校内の写真まで入ってるのは著者の遊び心が現れていますね。非日常ですからすごく興味をひかれます。大人だって普通は見たことないから面白いです。

表紙は子ども達が登校してくる直前の朝の無人の教室。実はこの表紙からしてちょっと仕掛けがあります。机の上にポツンと筆箱が忘れられています。「だれがわすれたのか」と小さい字でコメントが書いてあります。そして子ども達が登校してくるとすぐに誰が忘れたのかわかるようになっています。よくよく細かいところを見てみると、教室の後の方には色んな掲示物があります。『2がっきのめあて』とか、『みんなのたんじょうび』、『なつやすみのさくひん』なんかが貼られていますね。子ども達が学校生活に慣れてきた頃であろう2学期の様子みたいです。

裏表紙にはある本のアップが写っています。作中で休み時間に図書室でお気に入りの本としてあげられていたものです。『内田麟太郎詩集 きんじょのきんぎょ』の中の一篇『いちねんせい』という詩のページのようです。この詩がまた面白くていいです。基本言葉遊びの中に、屈託がないおおらかなメッセージが込められています。この詩のように、おおらかに伸びやかに小学校生活を楽しんでほしいと思ってしまいます。本書を手にしたら裏表紙も是非ご覧になってください。

前述したようにカメラを引いて定点で撮っている事が多いです。そして1ページ内に何枚かの写真が載っているので、写真1枚1枚が小さくて子どもの表情がちょっと見にくいことが難点です。ページ数の関係もあるだろうし難しいのかも知れませんが、もっとよ~く見たかったな。

この本にはメインとなるような文章はないんです。図鑑に近い感じ。ところどころにちょっとした説明やセリフが書き込んであるので、読み聞かせるとしたらそこを読むことになりますが、子どもからしたら今どこを読んでるのかわかりにくいでしょうから、読んでるところを指差してあげたりした方がいいかと思います。字がわかるなら読み聞かせよりも子ども一人で眺める方がいいタイプの本でしょうけどね。文章の文字はほとんどひらがなで、ちょっとカタカナ、さらにわずかに漢字があります。漢字にはすべてふり仮名がふってあります。

生活の時間では拾ってきた葉っぱを白布に挟んで木槌で叩き、葉っぱの模様を作ります。ウチの子どもがこれに興味を持ったので、後で子どもと実際にやってみました。

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