わすれられないおくりもの


文 スーザン・バーレイ
絵 同上
訳 小川仁央
発行 評論社
初版 1986/10/10
対象年齢 4歳から
文字の量 やや少なめ~やや多め
ページ数 24
発行部数 117万部(2014時点)ミリオンぶっく
オススメ度 B

わすれられないおくりもの のあらすじ・内容(注意:ラストまで紹介しています)

晩秋。年老いたアナグマが一人ひっそりと亡くなります。

アナグマがいなくなった悲しみは大きく森の仲間たちは途方に暮れます。そして、それぞれアナグマとの思い出を振り返ります。アナグマは仲間たちみんなに、いろんな知恵と工夫を残してくれていたのです。

はさみを使うのが上手なモグラは、アナグマにはさみで上手に紙を切り抜く方法を教えてもらいました。

スケートが得意なカエルは、一人で立派に滑れるようになるまでアナグマについてもらったのです。

キツネはアナグマにネクタイの結び方を教えてもらいました。

料理の得意なウサギの奥さんは、最初アナグマにしょうがパンの焼き方を教えてもらったのです。

雪が消えた頃、みんなの悲しみはいつの間にか消え、アナグマとの楽しい思い出を語る事ができるようになっていました。

わすれられないおくりもの の解説・感想

タイトルになっている『わすれられないおくりもの』とは、アナグマが伝え残してくれた知識や技術、そしてそれらを伝えてもらった思い出のことです。

人生のあり方。死。悲しみを乗り越えて生きる事。知識や技術を伝えていく事。この本に描かれている内容は小さいこどもにはちょっと難しいところもあるかも知れません。ミリオンぶっくの冊子では対象年齢は”4歳から”となっていたのでそれにならったのですが、こどもにもよるでしょうね。でもそんなに難しい言葉は使ってありません。お話は理解できると思います。友達との関係のあり方みたいなものも何かしら感じてもらえるでしょうかね。漢字はありますがすべてふりがながふってあります。こどもはこどもなりに、そして何度も読み返すうち、年齢を重ねるに従って気づくことが増えていく。そんな絵本だと思います。

死を扱っていますが悲劇的でもドラマチックでもなく、静かにお話は進んでいきます。とても誠実で心温まるお話です。絵の方も穏やかで素朴な印象のものです。

物語の冒頭、年老いたアナグマの心境が語られます。死はそう遠くないことを自覚しています。でも死ぬことを恐れてはいません。心は残ることを知っていたからです。肉体的にできない事が多いですが、できる範囲で幸せを感じています。そして自分が死んだ後に友達が悲しむことを気にかけています。私も人生の折返し地点はとうに過ぎたことでしょう。アナグマのように誠実に残りの人生を歩みたいものです。大人にも読んでいただきたい作品です。

ちなみにこちらのサイトでウサギの奥さんがアナグマから教わったしょうがパンを家庭で実際に作ってみています。興味ある方はどうぞ。
ビストロ・アニメシ アナグマとウサギの奥さんのしょうがパン前編

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